落語家の7代目三遊亭円楽が22日、東京・新宿の紀伊國屋ホールで芥川賞作家の中村文則氏とタッグを組む落語会「~円楽、中村文則執筆新作落語相勤申上候~」(6月18日、同所)の取材会を行った。

 2005年、「土の中の子供」で芥川賞を受賞した中村氏が円楽のために書き下ろした完全新作落語の初演となる。

中村氏が新作落語を手がけるのは、今回が初めて。タイトルは「座れない」で、具体的な内容は明かされなかったが、滑稽噺になるという。

 円楽は異色のタッグの経緯について「もともとうちのかみさんがファン。『何もかも憂鬱な夜に』を読んだ時に強烈なパンチを受けました。名言がいっぱい出ているので(本のページを)折りまくって、生き方の道しるべになっている。こんなことを書ける天才がいるんだ、と。『感動しました』とお手紙を出しましたところ、お返事をいただいて、それ以来のお付き合い。『新作落語を書いて下さい』とお願いして、快諾してくれました」と振り返った。

 小学生の頃から落語が好きだったという中村氏は「円楽を襲名なさったお祝いとして書きました。できあがったものを何人かの人に見せたら評判が良くて、当日すべったら彼のせいです」と笑った。新作落語を書くにあたり、古典落語約120作の筋や立川志の輔、桂文枝などの新作落語を研究。執筆期間に1か月費やし「お忙しい中、なんと無料で。

僕は(落語の)DVDを買って赤字ですよ」と内情を暴露し、報道陣の笑いを誘った。

 できあがった台本を読んだ感想を円楽が「これは難しいな、と。そんな登場人物、人物じゃないじゃん。そんなの出すなよって思うところも。腕の見せどころだと思います」と語れば、中村氏も「演じるのは難しいと思いますね。小説とは違いますけど、落語と舞台、コントっぽい。1人でやるのは大変。でも、なんたって7代目円楽。円楽って名前を名乗っているからできるのでしょう」と期待を寄せた。

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