将棋の福間香奈女流五冠が2日、日本将棋連盟が今年1月に設置した「公式戦番勝負対局規定検討委員会」(以下「検討委」)が先月30日に最終答申を行ったことを受け、大阪市内で弁護団とともに会見を行い、一定の前進を評価するとともに「いくつか不安がある」と引き続きの善処を求めた。

 福間女流五冠は冒頭で連盟、検討委、メディア、ファンほか関係者への謝意を述べた。

続いて「最終答申の内容を確認し、熟慮したところ、いくつか不安が残るものもありました。これから規定が策定されるにあたり、子供を望む方が安心して将棋に打ち込め、両立できることができるよう心から願っております」と述べた。

 特に「過去に自分が妊娠・出産(した際に)経験したことを、また経験される方がいないのかな、同じような思いになってしまわないのかな、という不安は正直ぬぐえないのかなと思います」と今後、妊娠・出産を望みながらも対局との二者択一を迫られる女流棋士が現れないことを望んだ。

 一方で「日本将棋連盟に所属していますので、決められた規定の中で対局をしていくことになります」と今後とも規定を順守していくとした。

 福間女流五冠サイドが懸念を示し、または改めて要望したのは以下の点。

<1>諮問事項

 答申は番勝負についてのみに対する諮問事項だが、今後は妊娠出産を希望する全棋士の対局にも検討されることが期待される。

<2>答申内容

(1)「基本的な考え方」:番勝負において妊娠・出産する者が生じた時に問題が表面化する際は、棋戦ごとの「番勝負委員会」の出す結論に委ねられる。立場の弱い女流棋士個人の権利が後退する懸念がある。

(2)妊娠・出産期における出場・交代の基準:日程調整を行うことが困難な棋戦が生じるのではないか。

(3)判断主体について:番勝負委員会の透明性を一層高めることも「検討に値する」としている。連盟の対応に強く期待したい。

(4)調整不能等により出場が困難となった場合の代替措置・補償について:妊娠・出産によって地位降格等の不利益が生じない制度設計が必要。

「翌期の棋戦における特別の地位を付与することを検討することが望まれる」として基本的には特別なシードを付与する案を示すにとどまった。この代替案ではタイトル保持者はタイトルを失い、挑戦者であった者も番勝負出場権利が保障されないものとなるため、事実上の不戦敗と変わりない。

 昨年12月、福間女流五冠サイドは「対局の日程と出産予定日の前後計14週の期間が一部でも重なる場合、対局者が変更される」という規定をめぐり要望書を提出。連盟は規定を削除し検討委の設立を発表。先月30日の報告では、出場制限を設けないこと、出場不可能の場合は代替措置を設けることなどが提言された。

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