FIFAランク18位の日本は1次リーグ第2戦(日本時間21日午後1時開始)で、同45位のチュニジアと対戦する。森保一監督(57)は19日(同20日)、試合会場のモンテレイで前日会見に出席し、3日前に監督が代わったばかりのチュニジアを「死に物狂いで予選を突破しようと戦ってくる」と評し、「受け身にならず、相手より強い気持ちを持って」と強調した。

勝利が待望される一戦はW杯1000戦目の節目の試合。26分間の会見での発言から、今大会で指揮官が見せる策士ぶりを担当の岩原正幸キャップが「読み解く」。

 普段の柔和な表情とは異なり、森保監督がピリピリムードを漂わせた。価値ある勝ち点1を手にした初戦(14日=日本時間15日)オランダ戦から、第2戦へメンバーを大きく入れ替えるターンオーバーをするかを聞かれると「質問には真摯(し)に答えたいが、控えさせていただく。何人代えるかはまだ分からない。日本の記者の皆さんも代表チームの一員だと思っている。出た情報が相手にどれだけ重要かということを踏まえて考えてもらえたら」と口調は穏やかだが、真剣な表情で語った。

 オランダ戦では前田の左シャドー(1トップの後方)での初先発や終盤の4バックへの変更など、日頃は「凡事徹底」を口癖とする指揮官が裏をかく神采配で、流れを引き寄せた。チュニジア戦でも楽観ムードは一切なく、奇襲に打って出ることも十分感じさせる。相手はスウェーデンとの初戦で大敗後にルナール監督(57)が就任し、新体制での準備期間は3日間だけ。とはいえ、森保監督は「1戦目の敗戦を取り返そうと、死に物狂いでくるメンタリティーに受け身にならず、相手よりも強い気持ちを持って戦う」と言葉に力を込めた。“白シャツの魔術師”の異名を持つ敵将に対し、初戦に続き大舞台で“森保マジック”を繰り出す可能性もある。

 日本は過去7大会で第2戦を苦手(1勝3分け3敗)としており、02年日韓大会ロシア戦以来勝利がない。4年前には格下のコスタリカに初戦(ドイツ戦、2〇1)から5人を代え、痛恨の完封負け(0●1)。日本代表で初めて、W杯2大会連続で率いる指揮官は「前回の痛い思いをした経験を結果で生かせれば」と誓った。W杯1000戦目の記念試合でもある。「歴史にふさわしい試合をして、勝利を世界中の方々に見てほしい」と言った。

 初戦で左膝を負傷した主力MF久保建英(Rソシエダード)が欠場する中、秘策の手札はあるのか―。午後10時キックオフでも、昼間は35度を超え、熱がこもる酷暑のモンテレイの環境を考慮し、数人を入れ替える可能性もある。初戦、出番のなかったDF板倉主将らも控えている。また前線にFW上田ともう1枚を配する2トップも、シャドーが手薄な現状では有効策の一つになりそうだ。勝てば勢いに乗る半面、引き分け以下なら、一気に状況が苦しくなる運命の一戦。経験豊かな指揮官のタクトに注目したい。(岩原 正幸)

 ◇森保監督に聞く

 ―第2戦の抱負。

 「オランダ戦は最後まで粘り強く戦い、勝ち点1をつかんだ。ただ、誰も満足はしていない。チュニジア戦の勝利を約束するものではない」

 ―暑さについて。

 「1戦目のダラスの空調が利いた試合とは環境が違い、厳しい環境だと思う。しかし、その環境を想定し、事前のキャンプをモンテレイで行い、暑熱対策を実施してきた」

 ―(海外メディアから)日本のファンがスタジアムを清掃することに。

 「日本が世界に誇れる文化だと思う。我々チームもロッカーの掃除をして帰る。(練習後も)日本人の選手はスパイクも片付ける。ブラジル人の用具係から『オレの仕事をなくさないでくれ』と言われたこともあるが、仕事はなくならない」

 ―2度目のW杯指揮で見え方、心境に違いは?

 「変化はないと思っている。なぜなら、目の前の試合に勝利するために準備し、試合で全力を尽くすことに変わりないから」

 ―初戦の試合中にホワイトボードに大きな数字を書いて、選手に示した。

 「時間を知らせるためにやった。(ダラスの)電光掲示板は真上にあり、多くの選手が把握できておらず、ベンチに何度も時間を聞いてきたので、それが一番伝わるかなということで」

編集部おすすめ