◆第74回クイーンS・G3(8月2日、札幌競馬場・芝1800メートル、良)

 第74回クイーンS・G3(札幌・芝1800メートル)は1番人気のココナッツブラウンが重賞初制覇。北村友一騎手(39)=栗東・フリー=は、史上9人目となるJRA全10場重賞制覇を飾った。

 着差以上の完勝だった。ココナッツブラウンはバックストレッチまで11番手を追走。3角から外を上がっていくと、直線入り口では4番手にとりつきそのまま力強く抜け出した。距離ロスを考えると圧巻の内容で、悲願のタイトルを手にした。北村友も「いつでも動ける態勢でしたし、自分で動いていく強い競馬でした」と胸を張った。

 鞍上と初コンビだった昨年の同レースで重賞に初挑戦し、頭差の2着と惜敗。その後もG1を含め4戦全て掲示板内と健闘したが、1着には手が届いていなかった。ゴール後には力強いガッツポーズで喜びを爆発させ、「能力があることは分かっていたけど、歯がゆいレースが続いていました。1年ぶりに雪辱を果たせてうれしく思います」と声を弾ませた。

 自身も史上9人目となるJRA全10場重賞制覇を達成。安田富男、武豊、ルメールらに肩を並べた。「特に目指していたわけではないですが、うれしいですね」とクールな口ぶりからは貫禄も漂う。

今春はクロワデュノールとのコンビでG1戦線を沸かせたが、夏も函館スプリントSに続く重賞勝利。好調を維持するトップジョッキーに、またひとつ勲章が加わった。

 上村調教師が「G1で戦ってきた馬ですから、ここは負けられないところでした」と話すように、このタイトルで満足する馬ではない。気性的に滞在競馬が向いているため、昨年は中1週で札幌記念に転戦したが、「昨年より成長している」と直前輸送にも徐々に対応できるようになってきた。「何とかもう一つ上のレースで頑張ってほしい」と期待を込めた鞍上。その視線はハッキリと秋の大舞台を見据えていた。(角田 晨)

 ココナッツブラウン 父キタサンブラック、母ルアーズストリート(父キングカメハメハ)。栗東・上村洋行厩舎所属の牝6歳。北海道日高町・下河辺牧場の生産。通算成績は16戦5勝。総獲得賞金は1億8764万6000円。重賞初勝利。

馬主は下河辺隆行氏。

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