劇団新派の波乃久里子(80)が5日、東京・歌舞伎座ホールの朗読公演「十三夜」「風流深川唄」(ともに齋藤雅文演出)の開演前に、8月28日に死去した水谷八重子さん(享年87)について語った。

 新派の“二枚看板”として活動してきた水谷さんとの別れに「八重子お姉さまとはきょうだい同然できましたからね。

わがままで憎らしいところもあったけれど、かわいらしい人だった。今日も必ず見てくれていて『ダメね久里子は』とか言っているんじゃないかな」。また水谷さんがよく言っていた「新派、新派っていうけれど、ジャンルはない。演劇は一つよ」という言葉も思い出しながら舞台に上がったという。

 今後の新派に関しては、波乃は松竹の判断であることを理解しつつ「新派はマニアックな世界でもある。でも私たちはオファーがくれば出来る状態に」と回答。常に刀を磨いておくつもりだ。

 新派の俳優を中心とした出演者たちのショック、悲しみはまだ癒えていない。しかし、確かに受け継がれてきた新派の名作の“本物の芸”を朗読で聞かせ、満員110人を圧倒。水谷さんの喪失を乗り越え、前に進もうとする決意をうかがわせた。6日も同所で上演される(チケットは完売)。

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