◆テニス ▽木下グループ・ジャパン・オープン第2日(1日、東京・有明コロシアム)

 男子テニスで元世界ランキング4位、2014年全米シングルス準優勝の錦織圭(ユニクロ)が、19年にわたるプロ人生に幕を下ろした。1回戦で世界ランキング8位で第2シードのフランシス・ティアフォー(米国)に4―6、4-6で敗れた。

試合後、コート上には松岡修造氏が司会として登場。杉山愛さん、国枝慎吾さん、添田豪さん、伊達公子さんから花束が贈呈された。

 松岡氏からマイクを渡された錦織は、目を真っ赤にしながら言葉を紡いだ。「試合終わるまで、泣くなんて思ってなかった。(現役最後の試合となり)悲しさがやっぱり大きい」

 2007年10月にプロ転向宣言をした思い出の地・有明。ツアー本戦685試合目がラストマッチとなった。平日の昼間にもかかわらず、有明コロシアムを埋め尽くしたファンは、声をからして、錦織に声援を送った。声援に応えるように第1セット1―2の第4ゲームではバックハンドのリターンエースがさく裂。ガッツポーズが飛び出す会心の一撃で場内を沸かせた。150~160キロ台の第2サーブでもフリーポイントを奪い、時には鋭いショットを突き刺した。第2セット4―5、ティアフォーのサービスゲームで、先に2ポイント連続で奪うと場内は大熱狂。自らのミスでポイントを落とすと悔しがり、最後まで闘志は衰えず。

 しかし直前の全米オープンで4強入りした強敵に200キロを超えるサーブとパワフルかつ丁寧なショットで押された。マッチポイントは長いラリーの末に、ドロップショットを落とされ、ネット前にダッシュするも拾い切れなかった。

 「自分では頑張ったと思いますけど。理想のプレーにはほど遠い中で、半年間ケガから復帰してまた頑張って。惜しいところまで戻ってこれた」と振り返った。

 日本のファンからは、試合中も試合後も大きな拍手が送られた。「日本でプレーできるのは格別。どうしてもここでプレーしたかった」と感無量の様子だった。ただ、敗れたことには納得がいかない様子。「悔しいですね。こういう終わり方は」と悔しさをにじませたが、「やりきったとは思うので、満足はしています」と話していた。

【コート上インタビュー】

―試合を終えて

 全く、試合を終わるまで、こんな泣くなんて思ってなかったんですけど、終わった瞬間に、5歳からテニスを始めて、これだけ積み上げてきた30年がここで終わっちゃうんだなぁ、本気でプレーすることがなくなるんだなという喪失感みたいのが一気に押し寄せてきたんで。

悲しさがやっぱり大きい。今日の最後の試合も、自分では頑張ったと思いますけど、ベストな、自分の理想のプレーにはほど遠い中で、この半年間、けがから復帰してまた頑張って、惜しいところまでは自分で戻ってこられたかなとは思うので。でも、やっぱり悔しいですね。こういう終わり方は。でも、やりきったと言える思いはあるので、満足はしてます

―この試合を通して悔しいと言ってくれたことがうれしい。日本の大会を最後にした

 やっぱり日本でプレーできるのは格別なので、どうしてもここでプレーしたかったですし、今日もこれだけのお客さんが駆けつけて応援に来てくれたので、やっぱり、これ以上のことはないですね。この数日間、ここで練習して、いろんな方も見に来てくれて。本当に幸せな1週間だったと思うので。もうちょっといいプレー見せたかったですけどね。

―すごい旅だった。苦しい旅が錦織圭選手を強くしたんだと思う

 思い返すと苦しい時期の方が長かったですけど、これも僕の人生なので。避けることはできなかったし、これと戦うしかなかったので。

その中でも歯食いしばってここまで頑張ってこられたのもありますし、小さい頃からここにいる先輩方の皆さん、修造さんをはじめ修造チャレンジで世界を目指すきっかけになって、愛さん、慎吾さん、添田くん、伊達さんも僕の目指す先輩として追う形で自分も世界に飛び立てたので、皆さんのおかげで自分の今があると思っています。

―周囲からのありがとう、という思いはどう感じているか

 本当に負けず嫌いなんですかね。もうちょっと見せたかったですねぇ。それしかない。やっぱり、ちょっとどっかネジ外れてるんでしょうね。最後までこの負けず嫌いがなくならなくてよかったなと思ってます。このケガで何年も失った中で、最後の最後まで諦めずにプレーできたことが、自分の誇りかなと思います。

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