◆出雲駅伝(12日、島根・出雲市出雲大社正面鳥居前スタート、出雲ドーム前ゴール=6区間45・1キロ)

 伝統校の早大が「令和の三羽ガラス」と呼ばれる2区の本田桜二郎(1年)、4区の新妻遼己(はるき、1年)らの快走で、3冠を達成した2010年度以来、16年ぶりの優勝を果たした。大会新記録で花を添えた。

 早大は1区で吉倉ナヤブ直希(3年)が首位と16秒差の7位とやや出遅れたが、2区で本田が区間賞の力走で6人をごぼう抜き。トップに立った。エース区間の3区で鈴木琉胤(るい、2年)は、40秒も区間記録を更新した日大のシャドラック・キップケメイ(4年)に抜かされたが、鈴木も従来の区間記録を更新する区間3位と好走。首位と9秒差の2位でタスキをつないだ。

 4区の新妻が区間新記録の激走で首位に再浮上した。国学院大のエース野中恒亨(ひろみち、4年)も従来の区間記録を更新したが、その野中に4秒勝った。

 5区も、今季絶好調の山口竣平(3年)が区間新記録の好走。独走態勢を築いた。最終6区は5区区間賞候補で「山の名探偵」の愛称を持つ工藤慎作(4年)が貫禄の走りで勝ちきり、最後はおなじみの“名探偵ポーズ”でゴール。仲間の手で3度胴上げされた。

 早大は昨季の3大駅伝では出雲2位、全日本5位、箱根4位と安定した結果を残した。今季、さらに戦力が充実している。

 前回の箱根駅伝1区7位の吉倉、同3区8位の山口、同4区区間賞の鈴木、同5区3位の工藤、同6区6位の山崎一吹(4年)、同9区2位の小平敦之主将(4年)、同10区10位の瀬間元輔(3年)は、それぞれ成長を遂げている。

 そして、今春、強力なルーキーが加入。昨年12月の全国高校駅伝1区(10キロ)で区間賞の増子陽太(福島・学法石川)、同2位の新妻(兵庫・西脇工)、同3位の本田(鳥取城北)が今春、そろって早大に入学した。1990年春、日本人高校生初の5000メートル13分台ランナーの武井隆次、1万メートルと3000メートル障害の日本高校記録保持者(いずれも当時)の櫛部静二(現城西大監督)、全国高校総体1500メートル5位の花田勝彦(現早大監督)が早大に入学。1年目から箱根駅伝で1~3区を担うなど存在感を発揮し「早大三羽ガラス」と呼ばれた。それから36年。増子、新妻、本田は「令和の早大三羽ガラス」として存在感を示している。増子は出雲駅伝では出番がなかったが、順調に練習を重ねており、学生3大駅伝第2戦の全日本大学駅伝(11月1日、名古屋市~三重・伊勢市=8区間106・8キロ)では大学駅伝デビューが期待されている。

 さらに昨年の全国高校駅伝1区14位のルーキー上杉敦史(千葉・八千代松陰)も出雲駅伝、全日本大学駅伝の登録メンバーに入っている。花田監督は「1年生はみんな元気がいいです」と笑顔で話す。

 バックアップ体制も万全。9月15日には、早大駅伝チームとして初のユニホームスポンサーとなる「大和証券グループ本社」「NTTドコモビジネス」との契約を発表した。

発表会見で、花田監督は「学生3大駅伝と呼ばれる大会で、私たちは両社のロゴを胸に優勝を目指して挑戦いたします」と力強くコメント。まずは出雲路で有言実行を果たした。

 マラソン15戦10勝のレジェンドで、早大OB会長の瀬古利彦さん(70)も大満足。「平成の三羽ガラス」を指導し、当時の早大の実質監督でコーチだった瀬古さんは「令和の三羽ガラスの方が上です」と断言する。その上で「出雲駅伝で勝ち、弾みがつく。3冠を達成した2010年度もそうだった」と期待を込めて話した。

 現マラソン日本記録保持者(2時間4分55秒)の大迫傑(35)=リーニン=らを中心に3冠を達成した2010年度以来、16年ぶりの3冠へ早大が突き進んでいる。

 早大の出雲駅伝優勝メンバーは以下の通り。

▽1区 (8・0キロ)吉倉ナヤブ直希(3年)

▽2区 (5・8キロ)本田桜二郎(1年)

▽3区 (8・5キロ)鈴木 琉胤(2年)

▽4区 (6・2キロ)新妻 遼己(1年)

▽5区 (6・4キロ)山口 竣平(3年)

▽6区(10・2キロ)工藤 慎作(4年)

▽補欠        上杉 敦史(1年)

▽補欠        増子 陽太(1年)

 ◇早大 1914年創部。正式名称は「競走部」。20年の第1回箱根駅伝に出場した東京高等師範学校(現筑波大、優勝)、明大(2位)、早大(3位)、慶大(4位)のうちの1校で「箱根オリジナル4」と呼ばれる伝統校。箱根駅伝優勝は歴代2位の13回。

出雲駅伝優勝3回、全日本大学駅伝は92年の初出場初優勝からの4連覇を含め5回。2010年度は学生駅伝3冠達成。練習拠点は埼玉・所沢市。タスキの色はエンジ。主なOBはマラソン元日本記録保持者の瀬古利彦氏、現記録保持者の大迫傑(リーニン)ら多数。

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