◆第29回富士S・G2(10月17日、東京・芝1600メートル、良)

 第29回富士S・G2(1着馬にマイルCSの優先出走権)が17日、東京競馬場の芝1600メートルで行われ、12番人気のシュガークン(吉村)が鮮やかな差し切り勝ち。屈腱炎での長期休養を乗り越えたG1・7勝馬キタサンブラックの半弟が、復活の重賞2勝目をゲット。

兄に続くG1制覇へ弾みとなる白星を挙げた。

 苦難を乗り越え、復帰3戦目で超良血が完全復活だ。シュガークンが東京の長い直線で輝きを取り戻した。直線入り口10番手から外を追い込み、他馬をごぼう抜き。繰り出した上がり3ハロン33秒7は、末脚自慢がそろう中でただ1頭の33秒台だった。「想像以上にすごい脚だった」と吉村も驚きを隠せない。清水久調教師も「切れましたね。さすが弟ですね」と興奮気味に振り返った。G17勝の顕彰馬キタサンブラックの半弟が、度肝を抜く重賞2勝目を挙げた。

 24年青葉賞を制し将来を嘱望されたが、続いた日本ダービー7着後に左前浅屈腱炎を発症。長期休養に入った。約2年ぶりの復帰戦となった今年5月の新潟大賞典は15着に大敗も、その内容が今回につながった。

トレーナーは「2年ぶりの競馬でスッと行けたんで、あれ?って思いました」とスピード能力の高さを再認識。続く宝塚記念(17着)の内容も踏まえ、新馬戦以来のマイル挑戦にかじを切った。

 前半800メートルが44秒9のタフな流れで結果を出したのだから、更なる上のステージでも期待は高まる。「優先(出走権)があるようなんで、何事もなければ行くと思います」とトレーナーはマイルCS(11月22日、京都)への挑戦を示唆。鞍上も「もう一段ステップが上がっても、いいレースができると思います」と自信をのぞかせた。偉大な兄に続くG1タイトル奪取へ、最高の前哨戦となった。(角田 晨)

 シュガークン 父ドゥラメンテ、母シュガーハート(父サクラバクシンオー)。栗東・清水久詞厩舎所属の牡5歳。北海道日高町・ヤナガワ牧場の生産。通算8戦4勝。総獲得賞金は1億3412万2000円。主な勝ち鞍は青葉賞・G2(24年)。

馬主は辻子依旦氏。

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