「ゴールマシン」としか形容できないのが、昨季のハリー・ケインだ。所属するドイツ王者のバイエルン・ミュンヘンで「61」。

イングランド代表で昨夏の北中米W杯6ゴールを含めて「12」。トータル73ゴールというとてつもない記録を打ち立てた。

 このゴール数を唯一欧州クラブに所属して上回ったのは2011-12年シーズンのリオネル・メッシの「82」だけ。また2001年のマイケル・オーウェン以来の英国人バロンドール受賞者となったケインは、通常W杯、ユーロ、もしくは欧州CLで優勝チームの最大功労者が選ばれる中、その勲章なしで19年のメッシ以来となる受賞を果たした。つまり、己のゴールだけで世界最高の座を勝ち取ったことになる。

 昨季のブンデスリーガで36ゴールを記録し、2位に17点差をつけてゴールデンブーツを勝ち取ったケインは、主将を務めるイングランド代表での通算ゴールも「91」まで伸ばし、2位ウェイン・ルーニーの「53」を大きく引き離した。これはまさに不世出の記録となりつつある。ちなみに代表通算出場数も「125」として、一時期記録更新は不可能とみられた1990年引退のGKピーター・シェルドンの記録と並び、次戦での新記録達成が確実となっている。

 これまで、こうした驚異的なゴール数に比例せず、地味な選手の印象が強かった。しかし、このバロンドール受賞でケインの輝かしい功績に正当な光が当たった形になった。

編集部おすすめ