◆プロボクシング ▽第83回東日本新人王 スーパーライト級(63・5キロ以下)決勝5回戦 ●竹内凰騎(判定)磯谷広太〇(11月3日、東京・後楽園ホール)

 東日本新人王スーパーライト級決勝で、元WBA、WBC世界スーパーウエルター級王者・輪島功一氏(83)の孫の磯谷広太(19)=三迫=が竹内凰騎(19)=T&T=を3―0の判定で下し、東日本新人王に輝いた。「今までボクシングをやってきた中で一番うれしいです」と喜びをかみしめ、「全日本はKOで勝ちたい。

もっと進化した姿を見せて、ランカーに入りたい」と1969年に祖父・輪島氏も手にした全日本新人王獲得を誓った。

 サウスポーの磯谷は、左右にステップしながらワンツーや右ショートアッパーをテンポ良くヒットさせ、初回から主導権を握った。「外、中を取る(WBA世界バンタム級スーパー王者の)ジェシー・ロドリゲスみたいな動きを練習していた」。練習で描いていたイメージをリングで具現化。2回、左ストレートでダウンを奪取。最終回も一方的に攻め立てて圧倒。ジャッジ3者とも50―44のフルマークで磯谷を支持した。

 同じ舞台で味わった悔しさが、原動力だった。昨年は東日本新人王決勝で1―2の判定負け。「去年までは下がるボクシングをしていた。自分が倒そう、勝とうという気持ちが周りから感じられないスタイルだった。しっかり倒す、勝つ、という気持ちが一番成長できた部分だと思います」。

変わったのは、技術以上に心だった。

 磯谷は輪島氏の長女・大子(ひろこ)さんの三男。現WBOアジアパシフィック・ウエルター級2位の兄・大心(25)=三迫=は、22年11月の東日本ウエルター級新人王決勝で4回TKO負け。元プロボクサーでトレーナーの父・和広氏も01年東日本同級新人王で初戦敗退だった。

 父と兄が届かなかった頂点に、三男が手をかけた。磯谷家4度目となる東日本新人王挑戦で、ついに悲願を結実させた。この日も、父と兄から受け継いだトランクスでリングに上がった。「父親と兄が取れなかった分、自分が絶対取ってやるぞ、という気持ちはありました。このトランクスもこれで最後。ようやくハッピーな終わり方ができて良かった」。勝利の証しとなったトランクスは父へと返し、新たな歴史を作る。

 偉大な祖父が1969年に獲得した全日本新人王の称号まであと一つ。

この日、輪島氏は会場に来られなかったが、19歳のホープは「勝ったよ、と報告に行きます」と目尻を下げた。

 戦績は磯谷が6勝(1KO)1敗、竹内が4勝(2KO)1敗2分け。

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