◆学生3大駅伝第2戦 全日本大学駅伝(1日、名古屋市熱田神宮西門前スタート~三重・伊勢市伊勢神宮内宮宇治橋前ゴール=8区間106・8キロ)

 名門の早大が、開幕戦の出雲駅伝(10月12日)に続いて圧勝した。5時間3分31秒の大会新記録をマークし、2位の国学院大に3分34秒の大差をつけた。

3冠を達成した2010年度以来、16年ぶりに伊勢路を制覇。最終戦の第103回箱根駅伝(来年1月2、3日)でチーム2度目、16年ぶりの3冠と史上初のチーム2度目の3冠に王手をかけた。

 国学院大は出雲駅伝に続き、2位。3位は創価大。

 出雲駅伝では関東最下位の11位に終わった青学大は4位まで巻き返した。

 3大駅伝最終戦の箱根駅伝の行方を占う。

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 文字通り「山あり谷あり」のタフで長い箱根路を勝ち抜くためには四つのポイントがある。

 【1】エース(1~4区でレースの流れに乗るためには一人ではなく複数のエースが必要だ)

 【2】山(上りの5区、下りの6区の特殊区間はスペシャリストが鍵を握る。特に最も競技時間が長い5区は差が開きやすい)

 【3】選手層(7~10区の復路にどれだけ強い選手が残っているかが勝負の明暗を分ける)

 【4】ロード適性(トラックの持ちタイムはあくまで参考に過ぎない。駅伝では「速さ」より「強さ」が求められる)

 出雲駅伝、全日本大学駅伝を立て続けに圧勝した早大に弱点は見当たらない。主要区間を担う鈴木琉胤(るい、2年)、山口竣平(3年)はライバル校のエースたちと同等以上の力を持つ。5区には4年連続となる「山の名探偵」工藤慎作(4年)、6区には前回6位の山崎一吹(4年)がいる。

昨季までの早大は選手層に不安を抱えていたが、今季はつなぎ区間を担う人材がそろっている。前回9区2位の小平敦之主将(4年)、同10区10位の瀬間元輔(3年)ら実績のある選手に加え、前回の8区で16位と苦戦した堀野正太(2年)が全日本大学駅伝で6区3位と好走したことも大きなプラスだ。さらに3000メートル障害で日本学生歴代4位(8分24秒96)の佐々木哲(2年)らトラックを得意とする選手も控える。

 唯一の懸念は「令和の三羽ガラス」と呼ばれる増子陽太、新妻遼己(はるき)、本田桜二郎のスーパールーキーたちが箱根ディスタンスの20キロ以上を未経験であることだが、未知数の潜在能力を秘める彼らはその懸念を軽々とクリアする可能性もある。その場合、早大の「黄金時代」が長く続くことになる。

 出雲駅伝、全日本大学駅伝ともに2位の国学院大は往路で野中恒亨(ひろみち、4年)、高石樹(2年)らを軸に往路で早大と対等に戦うことが悲願の箱根路初制覇につながる。特に前回、ルーキーながら5区4位と健闘した高石は、まだまだ、伸びしろが残っている。

 全日本大学駅伝4区区間賞の飯国新太をはじめ、浅野結太、鼻野木悠翔の3年生の成長は頼もしい。「飯国、浅野、鼻野木は箱根駅伝の往路でも戦えるめどがつきました」と前田康弘監督(48)は手応えを明かす。

 主将の野中を支える3人の副将の辻原輝(ひかる)、吉田蔵之介、田中愛睦の最上級生はチームに安定感をもたらしている。特に吉田は全日本大学駅伝6区区間新記録をマークし、自信を深めただろう。前回9区3位の野田顕臣(2年)は単独走に強い。

厚い選手層を生かして、復路で勝機を見いだしたい。

 中大は前々回、前回と5区途中までトップを走った実績と経験は大きい。2年連続3区区間賞の本間颯(4年)は切り札となる。出雲駅伝、全日本大学駅伝ともに欠場した本間の完全復調は優勝への絶対条件になる。

 青学大は出雲駅伝で関東勢最下位の11位に終わったが、全日本大学駅伝では4位まで挽回した。得意とする箱根駅伝に向けて、さらに巻き返すだろう。最近の12年間で優勝9回。新春の大舞台に向けて原晋監督(59)の調整能力はずば抜けている。前回の5区で驚異的な区間新記録をマークした「シン・山の神」黒田朝日(現GMOインターネットグループ)の穴は大きいが、5区の後継者候補は多い。黒田朝日の弟・然(3年)、鳥井健太(4年)、松田祐真(2年)、上野山拳士朗(2年)、新見春陽(はるひ、1年)らの中から抜け出す選手は区間上位が見込める。前回6区3位の石川浩輝(2年)は区間新記録の可能性も持つ。復路はスタートから勢いに乗れるだろう。

 前回9区区間賞の佐藤有一(現サンベルクス)のように最初で最後の箱根駅伝で活躍する4年生が多いことも青学大の強みで伝統。主将の中村海斗らが地道に走り込みを重ねている。

 前回の箱根駅伝3位の順大は「駅伝力」が増している。吉岡大翔(4年)、山本悠(3年)、井上朋哉(2年)、玉目陸(3年)を軸に上位を狙う。前回5区5位の小林侑世(4年)の存在も大きい。

 創価大、駒大、帝京大は駅伝巧者。優勝争いに加わる力を秘める。

 創価大は前回2区5位のスティーブン・ムチーニ(4年)、同6区区間賞の小池莉希(4年)が頼りになる。駒大は同2区8位の桑田駿介(3年)が昨季より成長している。帝京大はエースの楠岡由浩(4年)が前回2区でまさかの最下位に沈んだが、本来の力を発揮すれば区間上位で戦えるだろう。

 日大はシャドラック・キップケメイ(4年)の爆発力に期待したい。予選会トップの東洋大は前回1区3位の松井海斗(3年)、予選会で個人4位と力走した宮崎優(3年)を1、2区に配し、上位争いの流れに乗りたいところだ。

(箱根駅伝担当・竹内 達朗)

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