大相撲九州場所(8日初日・福岡国際センター)の新弟子検査が2日、福岡市内の病院で行われた。エストニア出身のザドロズノイ・アナトーリ(秀ノ山)が握力計を右手で握ると「パーン」という音が院内の部屋に響き渡った。

「壊してしまって、握力を測れなかった。でも力には自信がある」と少したどたどしい日本語ながらはっきり答えた。カメラマンが握力計を撮ろうとすると看護師が「撮るのはご遠慮ください」と要望。この病院では毎年新弟子検査が行われているが、あまりの衝撃的な光景でその残骸は“撮影禁止”となった。

 アナトーリは柔道やレスリングをしていたが、13歳で参加して相撲大会でエストニア王者になった。元大関・把瑠都(本名カイド・ホーヴェルソンさん)の兄が指導する相撲クラブに通った。把瑠都から秀ノ山親方(元大関・琴奨菊)を紹介され、昨年12月から秀ノ山部屋の研修生として生活。「ちゃんこはおいしい。うどんも焼き肉も好き」と日本の生活に順応。日本語はアニメ「BLEACH(ブリーチ)」の字幕を見て勉強することもあるという。

 初土俵となれば把瑠都以来となる同国出身力士3人目となる。「目標は親方と把瑠都関の最高位の大関。

もっと強くなりたい」。得意は右四つで、下手投げが武器だという。令和に現れたエストニアの怪人が土俵を席巻しそうだ。

 また他の受検者は山田颯飛(錣山)、工藤大知(錣山)、モンゴル出身のラウバスレン・ミャンガンバヤル(大嶽)。受検した4人全員が体格基準(身長167センチ以上、体重67キロ以上)を満たした。内臓検査の結果を待ち、初日に合格者が発表される。合格すれば日本出身者は本場所で初土俵を踏む。外国籍の2人は興行ビザ取得後の来年初場所(1月)以降での初土俵へ備える。

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