ネスレ日本のネスレ ヘルスサイエンス カンパニーは3月14日、栄養補助食品の「アイソカル ゼリー ハイカロリー」10製品で「特別用途食品 えん下困難者用食品 表示基準Ⅱ」表示許可を取得したと発表した。

10製品には、“誤嚥(ごえん)防止を目的としたえん下困難者に適した食品”と表示し、3月中旬から順次出荷する。


誤嚥とは、食べ物や唾液を飲み込むときに、食道ではなく気道に入り込んでしまうこと。えん下困難者用食品は、「やわらかさ」「まとまりやすさ(凝集性)」「口腔内でのくっつきやすさ」の基準を満たして“えん下(飲み込み)”を容易にし、誤えん及び窒息を防ぐものとして、消費者庁から許可を取得している食品だ。

「アイソカル ゼリー ハイカロリー」は、1個当たり66gの手のひらサイズの中に、おかゆ一杯分と同じカロリー150kcalが含まれる。2009年の発売以来、病院や介護施設から支持され、医療・介護現場で最も使用されているカップゼリーとなっている。コロナ禍以降はさらに一般家庭にも普及が進み、在宅での介護にも多く活用されてきているという。

今回表示許可を取得した10製品は「りんご味」「もも味」「あずき味」「コーヒー味」「チョコレート味」「とうふ味」「スイートポテト味」「黒糖風味」「きなこ味」「レアチーズケーキ味」。
残る「黒ごま味」「プリン味」の2製品でも、同様の表示許可取得に向け手続きを進めている。いずれも無果汁・香料使用。医療機関や介護施設だけでなく、大手通販サイトやドラッグストアなどでも購入できる。
「誤嚥防止を目的としたえん下困難者に適した食品」表示許可を取得、栄養補助食品「アイソカル ゼリー ハイカロリー」/ネスレ日本
「特別用途食品 えん下困難者用食品 表示基準Ⅱ」表示

3月14日にプレスイベントを行ったネスレ ヘルスサイエンス カンパニーの池ヶ谷淳貴さんは次のように語る。「ネスレ日本が2023年2月に行った調査によれば、在宅介護者の2人に1人が食事介助に不安を抱えており、また、在宅介護者の2人に1人が“事故なく、安全に食べてほしい”と食事の安全性を重要視している」。

「えん下困難者用食品」については“誤嚥が心配”“むせが気になる”“飲みこみに困難を感じる”といった悩みを抱える人が食品を選択する際の目印になるとする。
商品特徴については、「12種類の風味の中から好みに応じて選べるので飽きずに継続しやすい。また、小容量ながら150kcalのエネルギーとたんぱく質3gを補給できる」とする。

また、第2部では、国立国際医療研究センターの藤谷順子リハビリテーション科診療科長がセミナーを行い、次のように話した。「高齢者は加齢によりえん下障害を引き起こす。えん下障害は低栄養を生む。えん下障害と低栄養は、負のスパイラルといえる」「歩行機能のように、食べる機能(摂食えん下機能)も加齢により機能低下しうるので、食べる機能と栄養との両方を考えた献立が必要になる」。


ネスレ ヘルスサイエンス カンパニーでは、簡単にえん下状態をチェックできる評価ツール「EAT-10(イートテン)」をWEBサイトで公開している。まずは、飲む込む力を知ってもらう考えだ。
「誤嚥防止を目的としたえん下困難者に適した食品」表示許可を取得、栄養補助食品「アイソカル ゼリー ハイカロリー」/ネスレ日本

◆ネスレ ヘルスサイエンス「栄養なび」内 簡易えん下チェックツール「EAT-10」