Mizkan(ミツカン)や日清製粉、はくばくなど16社が参画する(一社)発酵性食物繊維普及プロジェクトは5月11日、都内で「新腸活最前線 発酵性食物繊維“腸×肌”トレンド発表会」をメディア向けに開いた。

同団体は昨年発足し、2年目の活動に入った。
世界的に食物繊維への注目が高まっている中、様々な健康効果が報告されている発酵性食物繊維に関しては日本が先駆的な立場にあるとして、科学的側面から店頭プロモーションまで、様々な角度から取り組みを進めたい考えだ。

西沢邦浩事務局長は冒頭「去年の終わりくらいから世界的にファイバーの時代が到来している。ただし世界の中で我々が普及に取り組んでいる発酵性食物繊維(Fermentable Fiber=FF)までの流れが生まれているのは日本だけと言っていい。世界を先導できる位置に日本はいる」と訴えた。

近年、世界中で一番話題になっていたのはプロテインだったが、TikTokで「#fibermaxing」(=食物繊維を積極的に摂取すること)が1~2カ月ほど前の時点で1億5,000万回以上の閲覧を記録、世界的な市場調査会社MINTELがこれからは「プロテイン・アンド・ファイバー」の時代だという市場レポートを発表した。米国を代表する家庭誌「Better Home&Gardens」でも今年の食トレンドの一番目にファイバーを挙げている。このように世界的に食物繊維への注目が高まっているという。

食物繊維のうち発酵性食物繊維については、臨床試験でBMIの減少、乳がんリスクの低下などの効果が報告されている。発酵性食物繊維をエサにして腸内細菌が代謝物として作り出す「短鎖脂肪酸」=酢酸・プロピオン酸・酪酸――が全身に好影響を及ぼしており、GLP‐1の分泌促進や免疫系のバランス(不活化)をとったりするのだという。逆に発酵性食物繊維が欠乏すると、腸内の善玉菌は腸壁を守る粘液層を食べてしまい、結腸バリア機能不全を引き起こすという。

西沢事務局長は「まず1日25g以上の食物繊維の摂取を実現すること、発酵性食物繊維については1日3g以上のプラスオンを図っていく、それによって(健康)エビデンスを出していける環境を作っていきたい」とした。

特別講演として国立研究開発法人医薬基盤・健康・栄養研究所副所長でヘルス・メディカル微生物研究センター長の國澤純氏が「腸活最前線2026発酵性食物繊維による新たな腸活アプローチ」と題し、免疫臓器としての腸の重要性や、腸内細菌が作り出す「ポストバイオティクス」が体に重要な働きをしていること、そのキーワードの一つが「短鎖脂肪酸」だとして、酪酸やそれを作り出すのに必要な酢酸の働きを解説した。


もう一つの特別講演として、まいこホリスティック スキン クリニック院長の山﨑まいこ氏が「実践事例 発酵性食物繊維を摂り入れた肌へのアプローチ」と題して、美容の領域でも腸活が当たり前のアプローチになっているとして、腸と肌の関係を解説した。同クリニックでは腸内環境の悪化が炎症から始まる肌状態悪化への負のループの始まりだとして「腸質スキンケアプログラム」による食生活改善を提唱している。負のループを断ち切るために重要なのが発酵性食物繊維だとして、シワの減少やキメ、毛穴、シミ予備軍やニキビの元の減少などの研究事例を示した。

発表会の第2部では、参画企業5社が取り組みを発表した。

Mizkanは腸活美容ブランド「Fibee(ファイビー)」の紹介と渋谷ヒカリエで5月9~11日に実施した体験型イベントについて、はくばくは穀物からの食物繊維の摂取量が減少している実態を受けて、白米に健康米をプラスする「おこめにプラス」という食提案の取り組み、7割の小学校給食に麦ごはんが採用されていることを土台にした食育活動などを説明した。日清製粉は高食物繊維小麦粉「アミュリア」について発表。発酵性食物繊維市場におけるプラットフォーム食材として活用してもらえることを目指したいとした。

〈米麦日報2026年5月13日付〉
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