寒さが深まり、いよいよジビエのシーズンが到来。美味しい鴨肉が味わえる季節がやって来ます!

 そんな鴨肉好きにオススメしたいのが、中目黒にある人気鴨料理店『鴨とワインNa Camo guro』の2店舗目として麻布十番に今年の6月オープンした『十番 無鴨黒 -Na Camo guro-(じゅうばん なかもぐろ)』。

こちらは中目黒の『鴨とワインNa Camo guro』と違い、中華的技法を使ったブランド合鴨「最上鴨」料理のフルコースが味わえるお店なんです。オープンして数ヵ月ですが、全9品、デザート以外全てにブランド鴨を使った料理が5,000円台で味わえるとあって予約が殺到。ゆったりとした上質な空間でコストパフォーマンスの高い料理と厳選されたお酒のペアリングが楽しめるため、感度の高い大人たちの間で人気を集めています。

生産直販する「最上鴨」を使用したチャイニーズアジアンな鴨料理

極上鴨肉のフルコースが5,000円台で堪能できる『十番 無鴨黒-Na Camo guro-』とは?

 麻布十番駅から徒歩3分ほど。ビルの地下1階にひっそりと佇む『十番 無鴨黒 -Na Camo guro-』。店内は木の温かみを感じる落ち着いた雰囲気で、デートや接待、大切な方との食事にうってつけです。

 一般的に高級料理店などで鴨肉をいただくとなるとコースで1万円以上の予算が必要。しかし、同店では生産直販モデルを実現しているため、国産のブランド鴨を使用していながら、全9品5,800円という破格の料金でフルコースを味わうことができます。

デザート以外鴨肉を使用!全9品のおきまりコースは破格の5,800円

極上鴨肉のフルコースが5,000円台で堪能できる『十番 無鴨黒-Na Camo guro-』とは?

『十番 無鴨黒 -Na Camo guro-』では、中目黒の『鴨とワインNa Camo guro』と同じく契約農家で生産直販を行なっているブランド合鴨「最上鴨」を使用。産地である山形県最上郡大蔵村の農場は、冬になると寒さ厳しく、豪雪地帯となる厳しい環境。そんな地で育まれるからこそ、ふっくらと脂ののった鴨が育まれるのです。飼料には米どころということもあり同県産の甘みの強いおいしいお米を与え、飼育方法にも様々な工夫を凝らし「最上鴨」を完成させています。

 この「最上鴨」の魅力を最大限活かすべく、料理は老若男女問わず親しまれる中華料理に寄せ、アジアン料理の要素も感じられるフルコースに。中華料理のシェフを採用し、中華の技法を用いた新感覚の鴨料理が魅力です。

真空低温調理で驚くほどしっとりジューシーな「藁焼き鴨 葱ソース」

極上鴨肉のフルコースが5,000円台で堪能できる『十番 無鴨黒-Na Camo guro-』とは?

 おきまりコースは、前菜からデザートまでどれも新感覚で魅力的な料理ですが、中でも注目していただきたい数品を厳選してご紹介。

「前菜の盛り合わせ」「蒸し野菜のアンチョビジンジャーソース」の後に提供される「藁焼き鴨 葱ソース」は、70℃の真空低温調理でしっとり仕上げた鴨ムネ肉を、800℃の藁焼きで旨味を閉じ込めた一品です。

 口に含む前から藁の香ばしい香りが漂っていて、パサついて硬いというネガティブな鴨肉のイメージを見事に払拭してくれるしっとり&ジューシーさでした。取材時は葱ソースが添えられていましたが、時期によってソースは変わります。これも「来るたびに様々な味を楽しんでほしい」という願いが込められているからだそう。

とろけるチーズと肉味噌が絡む「麻婆ブッラータ」

極上鴨肉のフルコースが5,000円台で堪能できる『十番 無鴨黒-Na Camo guro-』とは?

「鴨小籠包」の後に登場する「麻婆ブッラータ」も筆者イチオシのメニュー。麻婆豆腐をイメージしたというこちらの料理は、フレッシュなモッツァレラの中に生クリームを巾着状に包んだイタリア産のブッラータチーズにバジルを合わせ、数種の味噌と肉、ラー油、花椒(ホアジャオ)を合わせています。

 しっかりとした強めの味わいと花椒の香りが鼻から豊かに抜ける肉味噌に、濃厚でフレッシュなブッラータチーズが絡まり、うっとりするような味わい。中華の技法にイタリアンの食材を使用するという斬新さながら、親しみやすい味に仕上がっているのが面白いところです。肉味噌の味がしっかりしているので、ペアリングしていただいた赤ワインがクイクイ進んでしまいます。

酢豚よりも美味しい?!とろける脂がたまらない「酢鴨」

極上鴨肉のフルコースが5,000円台で堪能できる『十番 無鴨黒-Na Camo guro-』とは?

「青菜炒め」を挟んでメイン料理として登場したのが酢豚ならぬ「酢鴨」!一般的に豚肉の融点は37~42℃言われていますが、鴨肉はなんと14℃。つまり鴨肉は豚肉よりも脂がとろけやすい食材であるのです。そのためこちらの酢鴨もカラッと揚がった衣や赤身部分は噛み応えがあるものの、脂部分はすぐにとろけてしまいびっくり。噛むごとに口に広がる鴨の旨味は、ずっと口の中に留めておきたいほどの美味しさです。肉団子も添えられており、そちらはしっとりさっぱりしていて滑らかな口当たり。

「酢鴨」には、サンターディの「ロッカ・ルビア」をペアリング。熟した果実のような香りの赤ワインが、甘塩っぱいソースと鴨の味わいを引き立ててくれていました。

〆の「カモマンガイ」は米好き、鴨肉好き、エスニック好きにはたまらない!

極上鴨肉のフルコースが5,000円台で堪能できる『十番 無鴨黒-Na Camo guro-』とは?

 個人的に今年食べた米料理で一番美味しかったと豪語できる料理がこちらの「カモマンガイ」。茹で鶏とその茹で汁で炊いたタイやアジアのご飯料理「カオマンガイ」ならぬ“カモ”マンガイというネーミングも面白いですよね。ちなみに『十番 無鴨黒 -Na Camo guro-』のおきまりコースでは、締めの飯物を「汁なし担々麺」「鴨ラーメン」「カモマンガイ」から一品選ぶことができます。

 オーダーしてから土鍋で炊き上げる「カモマンガイ」は、鴨の芳醇なスープをたっぷりと吸ったジューシーなジャスミンライスに、しっとりとした鴨ムネ肉、たっぷりのパクチーがアクセントになったエスニックな一品。山椒の醤油漬けのタレをお好みで合わせ、味の変化を楽しみながらいただきます。

 一般的に水分少なめで炊き上がるジャスミンライスですが、日本人の舌に合わせ出汁をふんだんに吸わせたしっとりした味わいも特徴。最上鴨の滋味深い味わい、パクチーの清涼感、鴨出汁を吸ったジャスミンライスが最高のコンビネーション! カオマンガイ以上に後を引く美味しさでした。エスニック好きだけでなく、お米好き、鴨肉好きにもぜひ食べていただきたいです。

ソムリエによるワインのペアリングも魅力

極上鴨肉のフルコースが5,000円台で堪能できる『十番 無鴨黒-Na Camo guro-』とは?

 同店では、料理と合わせたドリンクのペアリングも魅力。日本を代表するソムリエのひとり大越基裕氏監修によるペアリングが楽しめ、最上鴨の旨みをさらに引き出し、次の料理への期待を膨らませてくれる内容になっています。

 この藁焼き鴨にはピノ・ノワールにしてはタンニンがしっかりしていて、クラシックなブルゴーニュよりも味が強く、鴨肉の味に負けない赤ワイン「マルサネ 2015」のペアリングでいただきました。

 ペアリングのコースは、ワインやお茶などの全6種で構成されているので、合わせてみるとより鴨料理が楽しめそうです。

 この他にもおきまりコースでは、最上鴨を使った贅沢料理がたっぷりと並びます。

極上鴨肉をこだわりの調理法と斬新なアレンジでいただける穴場店

極上鴨肉のフルコースが5,000円台で堪能できる『十番 無鴨黒-Na Camo guro-』とは?

 これまで豚肉や鶏肉などに比べ高価なわりに、肉質が硬く、パサついていて、クセのある味わいだと思われることも多かった鴨肉。そんな鴨肉を生産方法や調理方法にこだわることで、リーズナブルに極上の味を楽しめるというのは嬉しい限りです。しかもヘルシーで栄養価が高い、ということで女性にも嬉しい肉料理と言えます。

 中華料理自体も油たっぷりでこってりした印象がありましたが、今回訪れた『十番 無鴨黒 -Na Camo guro-』は、様々な調理法やアレンジを加えること、また鴨肉を使っていることで最後の一口までヘルシーにいただけるのが魅力的でした。ご褒美ディナーとして、ぜひ足を運んでみてはいかがでしょうか?

(取材・文◎中森りほ)

●SHOP INFO

極上鴨肉のフルコースが5,000円台で堪能できる『十番 無鴨黒-Na Camo guro-』とは?

店名:十番 無鴨黒 -Na Camo guro-

住:東京都港区麻布十番2-8-6 ラベイユ麻布十番B2F
TEL:03-5484-5677
営:17:00~24:00(L.O.21:30)
休:年末年始(3~9月は火曜日も定休)
メニュー:おきまりコース5,800円、火鍋コース5,800円、アルコールペアリング4,500円 ※おきまりコースはカウンターで、火鍋コースはテーブル席で提供。季節により若干コースメニューに変更があります。
https://tabelog.com/tokyo/A1307/A130702/13221816/
※価格は税別

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