今回のゲストは、「日本ドライバー人材センター」を運営する株式会社Blue Rocket 代表取締役の功刀奨也(くぬぎ しょうや)さん。EC需要の拡大やドライバーの高齢化を背景に、物流・運送業界では深刻な人手不足が続いています。

そんななかBlue Rocketは、人材紹介だけでなく、外国人教育や現地での育成環境づくりまで踏み込みながら、業界の課題解決に取り組んでいます。キーワードは、「人手不足」ではなく「チーム不足」。物流インフラを支えるための、新しい挑戦についてうかがいました。

物流の「2024年問題」と深刻化するドライバー不足

西田 トラックドライバーや運送業って、2024年にずいぶん話題になりましたよね。「2024年問題」とも言われていましたが、あれはどういうことだったんでしょうか。

功刀 大きいのは、ドライバーの高齢化です。新しく入ってくるひとが少ないなかで、働き手の年齢がどんどん上がっているんです。

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西田 そこに加えて、荷物の量も増えているんですよね。

功刀 はい。ECサイトの利用が伸びている影響で、運ぶ荷物の量は年々増えています。でも実際には、その荷物を運ぶひとが足りていません。

西田 荷物は増えているのに、担い手は減っている。これまでのやり方では回らなくなってきた、ということですね。

功刀 そうですね。人手不足に加えて高齢化も進んでいるので、物流業界全体として大きな課題になっています。

西田 そこで注目されているのが、外国人の方の受け入れなんですね。

功刀 はい。これは国の制度とも関わっているのですが、2024年に自動車運送分野が特定技能の対象に加わりました。海外から人材を受け入れていく流れが、いよいよ本格化してきています。

西田 特定技能という制度自体は、介護や建設、ビルクリーニングなど、ほかの分野では先に始まっていましたよね。そこに運送業も加わったと。

功刀 おっしゃるとおりです。物流は日本の生活を支えるインフラですから、その担い手をどう確保していくかは、今後ますます重要になってくると思います。

人手不足ではなくチーム不足。物流現場に向き合う”日本ドライバー人材センター”

採用だけでは足りない。Blue Rocketが挑む“チームづくり”

西田 そこで今、いちばん力を入れているのが「チームづくり」だと。

功刀 そうですね。やはり考え方を変えていかないといけないと思っています。これまでは日本人を会社で採用して、という形が前提でしたが、これからは海外の力を借りることも必要になってきます。

人手不足ではなくチーム不足。物流現場に向き合う”日本ドライバー人材センター”

功刀 特定技能もそうなんですけれども、すでに国内の定住者・永住者って400万人いるんですね。これもどんどん増えています。特定技能も1号、2号があって、2号になると日本に住めるようになります。企業様も最近、定住者や永住者の雇用を増やしていたりして。

西田 一時的に日本に来て、働いて帰るだけじゃなくて、住んで、働いて、家族も育てていくような形に変わってきているんですね。

功刀 はい。実際に、わたしたちのところでもネパールの方が通訳・翻訳として働いています。当時、留学で福岡に来て、そのあと大阪でホテルマンをやって、2020年にわたしたちが通訳として採用した方なんですけれども、今は日本に帰化して、家族もネパールから呼び寄せて、システム開発の会社の代表になっています。ネパール支社の社長です。

西田 それは結びつきが強いですね。

功刀 強いです。そういった力を実際に借りてきたからこそ感じるんですが、仕事に対する意識もすごく高いんです。

西田 そっか、意識も変わってきてる。

功刀 はい。

西田 御社のサービスをわかりやすく言うと、運送会社の社長が「人が足りない」と相談したら、『日本ドライバー人材センター』に連絡をするわけですよね。

功刀 はい。求人だけいただければ大丈夫です。

人手不足ではなくチーム不足。物流現場に向き合う”日本ドライバー人材センター”

西田 求人だけでいいんですか。この仕事に何人必要か、みたいなことを伝えれば。

功刀 この仕事だ、というのをいただければ、わたしたちが集めてきます。国内だけでなく海外も含めてです。

西田 ただ、海外から来てすぐにドライバーとして働けるのかというと、そこは簡単ではないですよね。

功刀 そこが正直すごく難しいです。いちばんのネックは、海外で日本語レベルと特定技能の資格をクリアした方が来られるんですけれども、日本に来たあとに「外免切替」をしないといけないことなんです。

西田 外国の免許を、日本の免許に切り替える手続きですね。

功刀 そうです。トラックだと半年間のなかでやらないといけないんですが、これがすごく難しい。時間もかかりますし、なかなか受からないんです。

西田 そこが大きな壁になっている。

功刀 はい。なので、現地で日本と同じ教習所をつくっています。

西田 すごいですね。そこまでやるんだ。

システムだけの話じゃなく、ドライバーの育成までやっているわけですね。

功刀 すごく泥臭いです。わたしたちがやっていることは。

物流の現場に向き合いながら

西田 最後に、今後の展望を教えてください。

功刀 物流の業界で、まずはトラックや運送業というマーケットに集中して、国内と海外の両方をしっかりやりきりたいと考えています。

西田 まずは足元の物流から、ということですね。

功刀 はい。登録いただいた方には、すぐにわたしたちが直接お電話をして、ドライバーの方の希望や要望を聞いています。現場の声を大事にしながら進めているんです。

西田 ちゃんと声で話し合っているんですね。

功刀 そうです。ドライバーの方は日本の物流インフラを支えている存在ですし、企業様に対しても、条件面を含めて提案していくことが大事だと考えています。

西田 その先の広がりもあるんでしょうか。

功刀 はい。まずは物流・運送業に集中しつつ、その先では建設や倉庫など、ほかのブルーカラー領域にも広げていきたいと考えています。

西田 なるほど。物流の現場に向き合いながら、その先も見据えているんですね。

人手不足ではなくチーム不足。物流現場に向き合う”日本ドライバー人材センター”

TBSラジオ『見事なお仕事』より抜粋)

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