TBSラジオ『ジェーン・スー 生活は踊る』は月~金の11:00~13:00生放送。
ラジオパーソナリティであり、作詞家・コラムニストでもあるジェーン・スーが皆さんの悩みにお答えする人生相談コーナー。
4月9日(火)の放送では、ゲストの本仮屋ユイカさんにも参加いただきました!
ジェーン・スー:ここからはみなさんのお悩みについて考える「相談は踊る」のコーナーです。パーソナリティは作詞家、コラムニスト、人生の酸いも甘いもつまみ食いのジェーン・スーと。
杉山真也:TBSアナウンサーの杉山真也と。
本仮屋ユイカ:本仮屋ユイカの3人でお送りいたします!
ジェーン・スー:というわけで、今日は本仮屋ユイカさんをお迎えしています!!
本仮屋:よろしくお願いします!
杉山:よろしくお願いします。では、あらためて私から本仮屋さん、ご紹介させていただきます。本仮屋さんといえば、映画『スウィングガールズ』、朝ドラ『ファイト』、そして『王様のブランチ』など、映画からドラマ、情報バラエティーの司会まで幅広く活躍されていらっしゃいます。最近では、先ほどご紹介いたしましたが、J-WAVEで松居大悟さんがパーソナリティーを務める番組『JUMP OVER』。こちらで毎週木曜日、深夜2時から放送中なんですが、その『JUMP OVER』から生まれた舞台『みみばしる』で主演を務められていらっしゃいました。
スー:そうなんです。その舞台を観に行ったのがきっかけでお会いすることになったんですけど、もともとは杉山さんから、(前身番組である)『相談は踊る』の頃でしたっけ? 本仮屋さんが聞いてくださっているっていうのを聞いていて……。
本仮屋:えっ! 伝えてくださっていたんですか!?
杉山:ええ。
本仮屋:ええー!? ありがとう、杉山さん! 本当にありがとう!!
杉山:「本当に大好きで、いつか(出たい)と思っていて……」って。それでわたしも「いつか出られるといいですね」っていうお話をしていたんです。
本仮屋:わたしの中で、『ブランチ』時代は土曜日がメインだったんですよ。
スー:そうか。1週間のサイクルがね。
本仮屋:ええ。そうなんですよ。で、土曜日が終わって、「今日もがんばったな」って言ってスーさんの『相談は踊る』を聞きながら炭酸水を飲むと、「あー1週間よくがんばったなあ!」って(笑)。ご褒美ラジオだったんですよ。
スー:なるほど! いやあ、ありがたいねえ。
本仮屋:いまはそれが月金で聞けるから本当に幸せなんです。
スー:いやいやいや。ラジオは元々お好きだったんですか?
本仮屋:ニッポン放送で自分がパーソナリティをやるにあたって、「ラジオってどんな世界なのかな?」と思って、いろいろ聞くようになっていったんですけど。スーさんの『相談は踊る』でがっつりラジオに心を掴まれちゃって。「ラジオに向かって話しかける」っていうのを始めた番組ですね。「わかるわかる! わたしもわたしも!」みたいな。
スー:アハハハハハ!
杉山:話しかけて聞いているんですね?(笑)
本仮屋:はい。
スー:でも、まさに『みみばしる』っていうお芝居は、ラジオリスナーがラジオをつくっている側と接点を持って、どちらの世界も変わっていく……、という群像劇だったんですけど。2回目に観に行ったとき「スーさん! スーさんがラジオで勧めていたのを聞いて来たんですよ!」っていうTBSリスナーの方もいらっしゃって。
本仮屋:わあ、嬉しい!
スー:ラジオリスナーなら特に、グッ!っと掴まれるところがいっぱいあるお芝居でした。本仮屋さんもあのお芝居をやりながらラジオは……。
本仮屋:あの時期はラジオ、聞けなかったですね。
スー:ああ、やっぱり。
本仮屋:はい。追い込まれていたというのもあるし、ラジオの世界のお話だったので。
スー:主人公が相談に乗るラジオパーソナリティだったりしてね。わたしも身につまされながら観ました。でも、その本仮屋さんも今日は相談に乗ってあげる方ですから。「わかるわかる!」って、本仮屋さんの話を聞いて頷いているリスナーさんたちが全国にいるわけですよ。
本仮屋:わあ! 憧れのやつです!
スー:アハハハハハハ!
杉山:じゃあ、さっそくスー&ユイカのコラボレーション、まいりましょうか。本日の相談でございます。
【相談】「疑問符」さん(49歳・男性)からの相談メール
「スーさん、杉山さん、本仮屋さん、はじめまして。今回、公共の電波を使ってこのような個人的な相談をしていいものなのか悩みましたが、アドバイスをいただきたく、初めてメールしました。
私は49歳、バツイチの男性です。
そんな中、先日彼女が昔から家族ぐるみで付き合いのある方のレストランの手伝いに、両親と供に行き、その際に先方から『このまま手伝ってほしい』と言われたそうです。場所は現在住んでいるところから距離があり、毎日通うには難しい地域です。そのため『住むところがあれば大丈夫か』と聞かれ、先方で『住む所を用意する』と言われたそうです。
そこで本人としては『本職にはそこまで情熱がなく、実際レストランの仕事も楽しかったため、即決してきた』とのこと。そして先日、『大事な話があるので電話、メールでなく、きちんと会って話をしたい』と呼び出され、私に『別れてほしい』と切り出してきたのです。理由は彼女としては『今後、メールをもらっても返信できないし、会いたくても会えないといったことが精神的なプレッシャーになるし、傷つけることにもなってしまうので、好きなままで別れたい』とのこと。
これに対し私は『彼女が精神的な支えであり、そのおかげで仕事もやりがいが出ているのは事実なので、付き合いを完全になしにはしたくない』と伝え、いまより条件が悪くなるが継続することを提案し、意見が平行線のままだったため、彼女が妥協して交際は継続となりました。恐らく彼女にとっては計算違いだったのでは? と考えてしまいます。
果たしてこの決断が私と彼女の双方にとってベストな選択だったのかと自問自答し、悩んでいます。私にはいままでこのような経験がなかったので悩んでいます。こんな私にアドバイス、いただけないでしょうか。よろしくお願いいたします」。
スー:歳の差カップル。27歳差ですよね。
本仮屋:本当ですね。
スー:ただこれ、書き間違えじゃないのかな?ってちょっと思っちゃったところがあって。7ヶ月付き合っていて、2ヶ月に1回のペースで会っていたら、3回しか会ってないっていうことになっちゃう。
本仮屋:あ、本当ですね。
スー:これ、「2週間に1回」とかじゃないのかな? でも、本当に2ヶ月に1回のペースで会っていて、7ヶ月で3回ってことは、よっぽど密に連絡取ってたのかな? でもそしたらさ、ほぼ遠距離と一緒じゃないですか。だからそれだと別れる理由はあんまりないですよね。
本仮屋:お付き合いする前から仲良しで、その期間も長かったんですかね? もしかしたら。
スー:ねえ。謎が多いんですよ。
杉山:たしかに。3回か4回ぐらいしか会ってない可能性はありそうですね。
本仮屋:それでも「精神的な支え」って言えるのって、すごいですよね。

スー:そうですよね。
本仮屋:「この決断が双方にとってベストな選択だったのか」……ベストな選択って思えるように今日、しましょう!
杉山:お、心強い!
スー:行こう! そうしましょう!
本仮屋:そうしましょう、そうしましょう! ……え、わたし、答えていいんですか?
スー:もちろんです!
杉山:ではユイカさん。どうですか?
本仮屋:そうですね。わたし思うんですけど、人と一緒にいるのには双方の同意が必要だと思うんですよね。「仲良くしよう」「仲良くしましょう」っていう。でも別れっていうのは、同意なくできるものなんじゃないかなと思っていて。どちらかが「別れる」っていうカードを出してしまった時点で、その方向に走っていってしまう。でも、ふたりの関係が変わっていく中で、せっかく奇跡的に付き合いが継続するというようになったんだから、なんとかしてその奇跡を繋ぎ止めたいなと思うんですけど……。
女の子はやっぱり、なにか悩みがあったときに「こうだ!」っていう解決よりも、「そうだね。うんうん、そうだね」って聞いてもらえたり、理解してもらえることがすごく重要というか、安心を覚えると思うんです。だから新しい世界で働いて、新生活が始まってる彼女のいちばんの理解者であり、いちばんの味方だよ、というのを重たくなく、いい距離感でサポートし続けることが唯一無二の存在になり、結果お互いにとって幸せであり、関係が続いてくひとつの道なんじゃないかな?って思ったんですよね。どうですか?
スー:あの、うん、おっしゃる通りだと思います。もう来週からわたしと交代しよう!
本仮屋:いやいや! とんでもない!(笑)
スー:でも、やっぱりそうですよね。なんかいろいろと新しいことを始めるのに、悩み事を増やしたくないから、「もう別れる!」みたいになっちゃったという。つまり、ある種テンパっている状態なんだとしたら、「まあまあ」ってなだめて、それで付き合うっていう風に決まったんだとしたら、おっしゃる通り、「わかるよ。大変だね。がんばってる?」って会いに行ってあげるとかね。
本仮屋:うん。
スー:だって彼女、向こうには友達もいないわけでしょう?
本仮屋:そうですよね。本当に新しい環境で新しい生活をスタートされてますもんね。
スー:そうなるとさ、2ヶ月に1回しか会ってなかったことが功を奏すかもよ、逆に。会えなくなるとかじゃないんだもん、だって。
本仮屋:たしかに。
スー:いままでだって2ヶ月に1回しか会ってないんだから。
杉山:たしかに、会う頻度としてはそんなに変わらないかもしれないですね。
スー:変わらないでしょう。だから休みの日とかにさ、車を持ってるのかわかんないけど、車でピューッと会いに行ってあげてさ。なんかご飯食べたりとかすればいいじゃない?
杉山:ユイカさん、さっきカードの話を例えで出しましたけど、今回は女性から1回、「別れる」っていうカードを出したわけじゃないですか。奇跡的に継続することになりましたけど、このカードは一度ポケットにしまったと考えていいんですか?
本仮屋:わたしはテーブルの上に出てると思います。
杉山:ああ、テーブルの上に置かれて伏せてある?
本仮屋:しまってはいないけど、目に見える範囲にカードは出続けているから。だからやっぱり「ぼくと繋がってることでこんなにいいことがあるよ。安心できるよ。君のことをぼくはわかっているよ」っていうことを、重たくなく伝えるのがいいと思う。
スー:ポイントはそこですよね。「重たくなく」。
本仮屋:そうですよね。やっぱり重たいのは嫌ですよね。
スー:新しい生活を始めると、人間、キャパシティ的に新しいことでいっぱいになっちゃうと思うんですよ。そうすると、なかなか連絡ができないとかになってさ。それで「新しい仕事とオレとどっちが大事なんだ!」みたいになっちゃうとかね。重いですよね。
本仮屋:そう思います。うん。あ、できたらこの疑問符さんもなにか新しいことをするの、どうですか?
スー:ああ、なるほどね。
本仮屋:「ぼくにも新しい世界がある」っていう軽やかさがリンクしやすそうじゃないですか。
スー:なるほどね。自分も新しいことを始めて忙しくなる、と。疑問符さんだけが彼女のことをずっと考えてると、重たくなっちゃうからね。重さはよくないですね。
本仮屋:そうですね。
スー:本仮屋さんは重い方ですか? 重くない方ですか?
ユイカ:はい、重いです。

杉山:即答(笑)。そうなんですか?
本仮屋:重いですね(笑)。
杉山:自分で自覚しているんですか?
本仮屋:自覚しています。
ジェーン・スー:アハハハハハハ! それ、どうするんですか?
本仮屋:もう、ダダ漏れです。すべての人、みんなに対しての思いを隠さない。
スー:重い思いを?
本仮屋:はい。重い思いを渡しまくる。そうすると「この人はこういう変な人なんだな」って思ってくれる(笑)。
スー:アドバイスとまったく違いますよ! アハハハ。
本仮屋:フフフ……違いますね(笑)。
杉山:でも自分の重いものを放出すると、自分は軽くなるんですか?
本仮屋:そうですね。重い軽いって、結局バランスの問題なんじゃないかなと思うんですよね。お友達でもわたしと同じぐらいの重量がある子と一緒いれば、お互い「軽い」と思うわけですから。相性ですかね、きっとね。
スー:じゃあこのふたりは今、彼女の方が新しい生活に気持ちが向いちゃってるから、つい……。
本仮屋:シーソーが動いていない感じがしちゃう。
スー:なるほどね。杉山さんがだったらどうします?
杉山:もしわたしがこの49歳男性さんだったら、どんどん重い方に走っていってしまいそう。
スー:あ、杉山さんも重いんだ?
杉山:重い方に走ってしまいそうです。
本仮屋:杉山さん、重そうです(笑)。
スー:フフフ。
本仮屋:真面目で優しいんですよね。『ブランチ』でも本当にいろんな方を気にかけていて、「誠実な方だな」っていう印象があるから。
杉山:ありがとうございます。もともとふたりが近かったときでも、もしかしたら男性の方が重かったのかもしれませんよね。それが離れちゃってより一層、「いまなにしてるかな?」とか、心配で連絡しちゃったりしちゃいそうな気がする。
スー:うん。じゃあ、疑問符さんが始める「新しいこと」。なにがいいですかね。49歳から始められること。
本仮屋:なにがいいですかね?
杉山:春ですから、なにかを始めるにはいい機会ですね。あったかくもなっていきますし。
スー:わたしは今、全部の相談の回答が筋トレになっちゃうんだけど。
本仮屋:あはは。でも、筋肉は大事ですよ。
スー:キター! 筋トレ、キター!
本仮屋:筋肉、大事。やっぱり現代人は忙しいから頭ばっかり使っちゃいません? で、頭ばっかりヒートアップしていっちゃうから、身体も熱くさせちゃう。そうすると、そこまで重たくならない気がしますよね。
スー:筋トレ、いいですね。じゃあ筋トレにしましょう!(笑) なんでもかんでも全部最近、筋トレになっちゃうんですけど。
本仮屋:いや、「筋肉は裏切らない」!
ジェーン・スー:フフフ……それも他局!(笑)
本仮屋:ハハハハハハ。
杉山:ラジオもテレビもいろいろミックスされている(笑)。
