「森本毅郎・スタンバイ!」(TBSラジオ、月~金、6:30-8:30)7時35分からは素朴な疑問、気になる現場にせまる「現場にアタック」。今回は、経済的に困窮している家庭への夏休み中の食料支援について取材しました。
コロナ禍で仕事を失い、経済的に苦しい家庭が増えているというニュースを、これまでもお伝えしてきましたが、実はこの夏、そういった家庭の「食」を支えようという取り組みが、各地で盛んに行われているんです。まずは、山梨県内で、食料品を宅配している、NPO法人「フードバンク山梨」の米山恵子さんに、どんな取り組みか伺いました。
対象は、普段、給食費の免責や、修学旅行の積立金の減免などの、「就学支援」を受けている家庭、これは生活保護、またはそれに準ずるような収入の少ない苦しいご家庭になります。仕事を無くしたり、ひとり親で大変なところが多く、普段の食事で栄養バランスが一番整っているのは給食だけ、ということも多い。その給食がなくなる夏休みは、大変ということで、食品会社や一般家庭から寄付された、作りすぎ・買いすぎたりした食品、余剰食品を届けているそうです。2015年から、長期休暇を中心に、こうした食料支援を行ってきたそうですが、今年の夏は、「もう、明日食べるものがない」という相談が複数あり、県内793世帯を対象に、急ピッチで箱詰め作業。こうした、食の支援は他にもあって、関東では茨城や西埼玉、千葉、調布、八王子など、様々なフードバンクが、夏休み中の支援に力を入れているようです。
「苦しい方はますます苦しくなっていて、(コロナ禍が)長引いているので、例えば去年の夏は何とか貯金を食いつぶしていた方たちが、もう貯金がない。私達が支援しているご家庭に聞くと、「貯金が10万円以下」という方が約半数です。最近は毎日のように、「困ってます、どうしたらよいですか」という連絡が来る。私たちがやっているのは2000世帯だが、コロナの前から、貧困の子供は300万人位いると言われているので、届いているのはごく一部です。」(NPO法人キッズドア・理事長 渡辺由美子さん)実は、キッズドアは、コロナ以前は、学習支援という形で、経済的に厳しい家庭の子供に勉強を教える活動を行っていたそうですが、コロナ禍で、そもそも食べるものに困っているいという相談が増えたことで、では食料を送り届けようと、宅配支援をスタートさせたそうです。今回、夏休み中としては初めての取り組みで、事前にキッズドアのホームページで希望者を募って、要望のあった世帯に配っている真っ最中ということですが、全国2000世帯!かなりの数です。でも、そもそも、スマホがなかったり、ネットにアクセスできない家庭もいるので、それを考えると、まだまだ一部だと。
実際に助かる家庭もいる一方で、やはり、民間の支援だけでは限界だということです。
このような状況で、何に頼れば良いかわからず、精神的に追い詰められている親御さんも少なくないようなので、渡辺さんは、「少なくとも1人5万円の現金給付」を、困窮世帯に追加で出してほしいと、訴えていました。
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