TBSラジオ『ジェーン・スー 生活は踊る』は月~金の11:00~13:00生放送。
みなさん湯豆腐ってどうやって食べていますか?12月10日の放送では、「美味しい湯豆腐のための鉄の掟」をご紹介しました。
湯豆腐ってだれでも作れる料理ではあります。でも「豆腐の良さを消しちゃってる」調理をしている方が多いんです。そうならないための“鉄の掟”をご紹介します。第1条!鍋をグツグツするべからず
豆腐は煮る料理ではなく、温める料理なので、温度管理が大事!豆腐のタンパク質は70℃以上で熱すると硬くなるんです。水分が蒸発して、いわゆる「すが立った」状態になり、口当たりがぼそぼそし、味気なくなる。なので、70℃手前で熱するのが理想。鍋がグツグツしているなんて、言語道断!
スー:でも70℃に設定するの難しそう・・・
温度を計らなくてもできます!
■金属鍋の場合
水を入れた段階で豆腐を入れてから温めていきましょう。弱めの中火、豆腐がグラっと浮き上がり始める直前に上げれば、70℃前後になります。
■土鍋の場合
土鍋には、いったん温度が上がると下がりにくい特性があるので、お湯を沸騰させて火を消し、豆腐を5分入れると、ほぼ70℃になります。
さきほど70℃が理想と言いましたが、中心温度はもう少し下がって55~60℃ぐらい。豆腐が大きすぎると中まで温まらず、噛んだときに冷たい部分が出てきてしまいます。
そうならないためのベストは、1辺を4センチ以上でカット。東京の豆腐なら「豆腐1丁を6等分」。1丁の大きさには明確な定義はないですが、だいたい300グラム。その6等分だとちょうどよくなるはずです。
高津湯豆腐by豆腐百珍今日は、鉄の掟を守った上で、ちょっと変わった食べ方をご紹介します。
江戸時代の料理本「豆腐百珍」が当時、グルメブームを巻き起こしたんですが、現代でも参考にされているんです。その「豆腐百珍」に湯豆腐のメニュー「高津湯豆腐」が載っているんです!「高津湯豆腐」は、温めた豆腐に“醤油味のあん と からし”をかけたものです。
【材料】
■豆腐1丁(300g~350g)
※絹・木綿はお好みで
■だし汁・1カップ
■醤油 大さじ1
■みりん 大さじ1
■からし 少量
【レシピ】
▼まず、“あん”を作ります。豆腐と別の鍋(雪平鍋など)に「だし汁・1カップ」に「醤油 大さじ1」「みりん 大さじ1」を加え、沸騰させたら、片栗粉でとろみをつけます。
▼土鍋にだし昆布を入れ、水がフツフツしたら昆布を取り出します。
▼カットした豆腐を入れて5分待ちます。(火は止めたまま)
▼豆腐を盛り付け、アツアツの“あん”をかけ、からしをのせて完成。
※「豆腐百珍」では葛を使っているんですが、入手しづらいですし片栗粉でOKです。
※湯豆腐の際に普段使っているタレに片栗粉でとろみをつけてかけるだけでも保温効果と食感の違いがあって、味変になるそうです。
スー:美味しいね!優しいお味。
杉山:素朴ですけど、心が落ち着きますね。
スー:湯豆腐ってこれくらいの温かさでいいんだ!豆腐の味がわかる!私たちが思っていた湯豆腐は熱すぎたんだ!
工藤:アツアツもおいしいんですけどね。「すが立った豆腐」を見ると悲しくなるんです。
スー:日本で唯一、豆腐の視点・気持ちになれる人ですね!
【工藤詩織】
■群馬県出身
■年間500軒のペースでお豆腐屋さんがなくなっていることを知り、通っていた大学院を辞めて、“豆腐1本”で生きることを決意。
■お米の代わりに豆腐を主食とされていて、ときには、「ごま豆腐をおかずに、主食の木綿豆腐を食べる」など、年間1000丁 以上、豆腐を食べるそうです。
■「お豆腐プロデューサー」として、豆腐文化の啓蒙活動をされています。
◆12月10日放送分より 番組名:「ジェーン・スー 生活は踊る」
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