「森本毅郎・スタンバイ!」(TBSラジオ、月~金、6:30-8:30)7時30分過ぎからは素朴な疑問、気になる現場にせまるコーナー「現場にアタック」、2021年10月4日(月)は、『筋肉ちくわ?フィッシュプロテイン?魚肉練り物製品に変化!』というテーマでお届けしました。突然ですが、みなさん最近、いつ、ちくわ食べました?実は、先月発売になった、あるちくわがとても注目されているんです。
そこで・・・。

新感覚のプロテインフード!「筋肉ちくわ」

注目のちくわは、どんなちくわなのか?このちくわを作った、香川県高松市の老舗練り物店、矢野商店の代表・矢野耕資さんに聞きました。「筋肉ちくわ」と申します。「魚のタンパク質と、インカインチプロテイン、これが植物性のタンパク質になりますので、ダブルタンパクということで、体のちょっと弱っている方とか、これから筋肉をどんどん付けたい方とか、そういう方のニーズに応えるという感じの商品にしております。「インカインチオイルから精製したプロテインがあるから、プロテインバー的なものを作らないか?」、という話に発展しまして、ちょっと足踏みはしてたんですけどね、まあ、正直万人向けじゃないなというところがあって、商業ベースとしてどうだろう?っていうのはだいぶありましたけどね。作るのは結構難しかったです。やっぱり配合です。
味的にはそんなに困ることは無かったんですけどね、やっぱり食感が、やっぱりちょっとあんまり固くなりすぎるとっていうのもあったんで、もう少しプロテインを入れて固くするとか、もう少しすり身の量を増やすかとか、そのバランスですね」(矢野商店の代表・矢野耕資さん)インカインチ、というペルー原産のナッツから精製したプロテインパウダーを、ちくわの主原料であるスケトウダラのすり身に練り込んだ、新感覚のプロテインフード「筋肉ちくわ」!この筋肉ちくわ誕生のきっかけは、お付き合いのあった管理栄養士の岩木さんからの提案でした。岩木さんは砲丸投げ競技の選手だった学生時代に、筋肉が付かずに悩んだ経験があり、手軽に食べられるプロテインフードが欲しい、とずっと思っていたのだそう。そんな中、魚肉の中でもスケソウダラは筋肉になりやすい、という研究データが公表され、これだ!とひらめいて、矢野さんにぜひ作ってください!と頼み込んだのです。こちらが筋肉ちくわ。
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味は魚の風味がしっかりしていて、美味しいです!食感は、うーん、何が近いでしょう?ちくわらしいプリプリ感は確かにありませんね。サケなどのフレークをぎゅっと固めたような感じ、とでも言えばいいのでしょうか?齧ると、ホロホロっとなる感じでした!
筋肉ちくわ?フィッシュプロテイン?魚肉練り物製品に変化!

大阪万博以来の生産量!!

最初は「えー?」と思った、と言う矢野さんですが、反響の大きさに驚いています。「今のところ一か月待ちまではいかないですけど、それに近いくらいな感じで、ちょっと待って頂くような形になってます。
想像以上です、ほんとに想像以上でした。飲食系の卸がメインだったので、もうコロナで8割減です。だから、この筋肉ちくわのお話が無かったらどうなってただろう、と思うと恐ろしい感じもしますね。助かりましたね、ほんとに助かりました。今日も結構注文があったので、多めの量で作ってはあるんですが、それでも700本くらいですから、それを思えば昔はすごかったな、と思います。1970年くらいです、万博の頃です、大阪万博の。
その頃が最盛期ですね。毎日毎日1000本近い量どんどん作ってましたんで、まだまだ、まだ及んでないです。ただ、ここんとこの惨状を思えば、大ヒットと言っていいかと思います。」(矢野商店の代表・矢野耕資さん)矢野商店では、石臼ですり身を作り、隣に置いてある成型機に手で入れ、出て来たちくわを、1968年の創業時から使っている専用機で一本ずつ焼きます。大阪万博の頃以来の生産量!で頑張っていますが、生産が追い付かない。それほどの反響があった、ということなのです。コロナ禍で売り上げ8割減だった中で、本当に助かった、という話がありましたが、実はコロナ前から、ちくわは厳しかったのだそう。
(なにしろ大阪万博の頃が最盛期ですからね・・・)調べてみると、確かに、1970年代に100万トン以上あった魚肉練り物製品の生産量は、長く右肩下がりで、底を打ったのが、2011年の45万トン。それが、2020年は47万トン、久しぶりに上向いてきているのです。

「フィッシュプロテイン」でアピール!

そのきっかけが、スケトウダラなど魚のタンパク質が筋肉の生成や維持に有効だ、という研究結果。そこに、最近の筋トレブームも重なって、魚肉練り物製品への注目は高まっている。そこで、筋トレ好きの人だけでなく、もっと広くアピールをしようと、水産加工業者などで、構成する日本かまぼこ協会も動きました。日本かまぼこ協会・専務理事の奥野勝さんのお話です。
「もともと、我々はかまぼこはタンパク質のかたまりなんですよ、とPRは10年以上前から業界としてやってきたんですね、でもなかなかうまく世間に浸透しなくてどうしようかな、と思っていたところ、魚肉タンパク質は筋肉に良い、ということが注目されましたんでね、これを機会に、じゃあ、魚肉練り製品の呼び方を、もっと新しい感覚で消費者に受けてもらいましょう、ということで、フィッシュプロテインと、いう呼び名を使うことにしたんですね。ちくわだとか、はんぺんだとか、種類がたくさんあるんですけども、それを代表する愛称として、フィッシュプロテイン・・・まあ、日本語では魚肉タンパク質なんですけども、そこをね、ちょっと新しい感覚で、と、フィッシュプロテインにしました。スーパーマーケットの置かれているかまぼこの類に、フィッシュプロテインというマークを入れましてね、すぐにっていうわけにはいきませんけれども、じわじわと効果は表れてますね。」(日本かまぼこ協会・専務理事の奥野勝さん)フィッシュプロテイン。まだ言い慣れませんが、今日を機にぜひお見知りおきを。ステイホームで筋力の低下が気になる、という人も多く、せっかくならば、筋肉の付きやすい魚肉練り物、フィッシュプロテインを、という人がじわじわ増えている。また、各メーカーも、運動や健康と関連付けた商品を売り出し、好調ということで、業界全体で、消費の上向きを実感している、とのことでした。
※筋肉ちくわの注文は、インターネットか、お電話で。インターネットは「やのや」で検索してください。筋肉ちくわは10本入りで2600円。送料別途かかります。また、お電話での注文の場合は、お支払いは代引きのみになりますので、代引き手数料がかかります。