TBSラジオで平日15時30分から放送中の「ACTION」。水曜パーソナリティ・DJ松永さんが夏休み中の為、Creepy NutsのR-指定さんが8月5日のパーソナリティ!
8月5日(水)のゲストは、ヤンキー漫画を考察する批評家・ライターの森田真功さん。
「ヤンキー漫画=昭和」というイメージは間違い!
R-指定:昭和のヤンキー漫画はリーゼントや「全国制覇」みたいなイメージとかありますよね。その後はどうなっていきますか?
森田:たとえば『ゴリラーマン』とかも昭和から始まっているんですが、連載期間は平成のほうが長いです。あと『ろくでなしBLUES』『今日から俺は!!』『カメレオン』『クローズ』『特攻の拓』みたいな昭和の不良を描いた作品も連載期間は平成なんですね。これらは平成の最初の10年ぐらいの作品です。この期間でヤンキーというものが一般化していきました。80年代はヤンキーって特殊なものでしたが、90年代で一般化したイメージです。
R-指定:タイムラグがあるんですね。実際のヤンキーが増える時期と、ヤンキー漫画が増える時期というのは。

森田:あると思いますよ。HIP HOPもそうですよね。もともとシーン自体はあったけど、一般化するのってなにかが売れてからじゃないですか。
幸坂:『今日から俺は!!』や『クローズ』は令和の今でも人気ですもんね。
森田:『今日から俺は!!』は実写化されましたが、演出家によって完全に昭和になってますね。

R-指定:何事もそうですが、とんでもない最先端な現象が起きて、それが広まると。でもそれを客観的に捉えて創作物にするには時間がかかりますよね。だから本当に悪い奴らがばーっと増えた時期に、リアルタイムにそれを追っかけるように漫画描けるかといったら難しいですよね。世の中的にも客観的に見られるようになって、「あいつってこの分類だよね」となるには時間がかかるかと思います。
森田:だから最新のヤンキー漫画が最新のヤンキー事情を捉えているかというと、それはまた違ってくる話になりますね。
大きな分岐点は、『ビー・バップ・ハイスクール』と『湘南爆走族』R-指定:僕は91年生まれなので、ここはリアルタイムで通ってなかったんですが、やっぱり伝説的だったんですか?

森田:僕もリアルタイムじゃなくて、少し上のお兄さんたちの作品みたいな感じですね。この2作品は、その後のヤンキー漫画の雛形を作ったところがあります。ビーバップはトオルとヒロシのバディで活躍していくシステムですね。これは『今日から俺は!!』や『湘南純愛組』もそうですが、このバディで戦っていくというのはビーバップがベースにあるのかなと思います。
R-指定:”スクワッド”や”モブ”って言い方もありますね。
森田:HIP HOPはバディもありますよね。
R‐指定:”2MC”ですね(笑)本当に族からHIP HOPグループになった人たちもいますから。BAD HOPなんてまさに、地元のチームがそのままHIP HOPグループになって武道館までいくという漫画みたいな人たちですよ(笑)
森田:そういう雛形の2作品ですね。あとこの2作品は70年代のヤンキー漫画と決定的に違うのは、作風が明るいです。要は80年代はラブコメの時代なんです。
幸坂:ヒロインが出てきて、その人をめぐって争うんですか?
森田:そうですね。ヒロインとどう付き合えるかが主題の1つになってきます。

R-指定:あと『ビー・バップ・ハイスクール』とかって普通に負けたりしますよね。
幸坂:愛らしい面が出てくるんですね。
このほか、R-指定さんが大好きな『クローズ』作者・高橋ヒロシさんの考察も伺いました。
◆8月5日放送分より 番組名:「ACTION」
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