TBSラジオ『パンサー向井の#ふらっと』毎週月曜日~木曜日 朝8時30分から放送中!
6月6日(月)の放送は現在公開中の映画『ハケンアニメ!』の原作者で作家の辻村深月さんをゲストにお迎えしました。
この4月から『パンサー向井の#ふらっと』でパーソナリティを務めることになった自分に、『ハケンアニメ!』のストーリーが、凄く刺さった、と話していた事から、番組スタッフが辻村さんに出演オファー!
お忙しい中でしたが、お時間を作って来て下さいました。
(向井):僕が一番見て刺さったのは、チームで作るということっていうところなんですよ。で、今回のこのアニメの中で、アニメを作る上でもちろん、監督の吉岡(主演の吉岡里帆)さんが好きでいろいろストイックにやるんですけど、やっぱ1人で頑張っても上手くいくものじゃないっていう。
(辻村):そうですね。
(向井):やっぱりプロデューサーがいて、アニメーターがいて、声優さんがいて、っていういろんな部署の方が、この監督のために俺はここまでやるんだと、私はここまでやるんだって思わないと。全体としての熱量って上がらないんだ、って意外と気づかなかったんですよ。僕はこの『パンサー向井の#ふらっと』っていう番組をやらせていただくまでは、どっちかって言ったら誰かの番組のゲストになる、っていうことが多かったので、
言い方はアレですけど、”背負って”ないんですよね。でもまあそのMCのために、じゃあ番組を盛り上げようっていう側だったんですけど、初めてこの自分が『パンサー向井の・・・』ってなった時に、僕の番組で一応。スタッフさんがどこまで「こいつのために頑張ろう」って思うかって、やっぱりその人の人柄だったりするんだってことを意外と抜け落ちてたのを、この『ハケンアニメ!』観て思ったから刺さっちゃったんです。
話も弾み、辻村さんと“ものづくり”への「熱量」と売上や聴取率など「数字」を求めることへのバランスの話に…。
(向井):やっぱり“ものづくり”ってやっぱ考えさせられるのが、見えている部分以外のところに、どれだけ熱量を注いでやれたかが実は伝わる、って信じてやっているか、って多いと思うんですけど、辻村さんもそうですか?
(辻村):そうですね。今だからこうやって呼んでくださっているみたいに「あ、刺さったんだ」ってわかる瞬間があると。もうそれがどんな部数の話とか、中に視聴率の話が「ハケンアニメ!」が出てきますけど、アニメの産業とか小説の産業とかって流通がやっぱりあるので、大きな数字の話とかになるけど、でもそこでの感動とか自分にとって何が一番刺さったかってすごく個人的なことだと思うので、個人的な誰かにそれが届いたって感じられると、次に向けても頑張ろうっていう気持ちになったり、書いているときって孤独だったりするんですけど、向こうで受け手がいると、「あ、自分には合ってなかったけどちゃんと理解者がいたんだ」っていう風に思えたりして、それがすごく幸せな“ものづくり”の仕事の醍醐味なのかなと思います。
(向井):この映画、もちろんそのチームでものを作るっていうことも大きなテーマだし、先ほどおっしゃっていた、誰かにどれだけ深く刺さるかっていうことも1個、テーマとしてあると思うんですけど、どれくらいのバランスで辻村さんって“ものづくり”をされているのか。
(辻村):ラジオもそうだと思うし、何か自分が“ものづくり“とかに関わっている方たちみんなそうだと思うんですけど、自分がそのジャンルに飛び込むきっかけになった、自分にすごく刺さった憧れの存在の番組だったり、本だったり、映画だったりがあると思うんですよね。なので、自分が誰かにとっての憧れの、繋がっていく存在になれるかもしれない、っていう。誰かにとって自分がものすごく大事だって思っているその作品みたいな存在になれるかもっていうのをある程度信じながらやってきたら、こうやって仲間ができていったっていう感じがするんですよね。一緒についてきてくださる方がいたりとか、あと小説家の仕事もすごくなんか孤独な仕事に見えるんですけど。
(向井):そうですよね。
(辻村):アニメと違って1人でやるので、その分の気楽さとかももちろんあるんですけど、だけど一緒に作ってくれる編集者がいたりとか、あと本のデザインをしてくださるデザイナーさんとか、装丁を描いてくださる画家さんとか、そういう人たちと一緒に働いている、と。その後に営業さんが流通に乗せてくれて、そこから書店員さんが売ってくれて、っていう。それを考えたときに自分って本ってすごく作家のものって思っていたけど、所詮中身担当なんだな、って思ったんですよね。だからちょっと違うかもしれないですけど、向井さんがラジオで今背負っている感覚。監督が背負っている感覚みたいなところがあって表に出るのは自分だけど、作っているのはみんなだ、って感覚があるので。なので数字が取れないとか、そういう形で自分が葛藤を抱えそうなときにも一緒に作ってきたチームのために胸を張りたいっていう気持ちが。
(向井):泣きそう!
(一同):(笑)
(向井):でも多分本当にこのタイミングで見たからこそ、っていうのもあるんですよね。
(滝沢):すごい。本当に感動されて。
(向井):そうですね。「ものをつくる」って。それを僕は思ったことがなかったので、なんかそれがすごいね、来ちゃったんですよね。
(辻村):ありがとうございます。
(向井):本当に泣けてきちゃった。
(辻村):良かった。今日来て良かったです。
(滝沢):もう朝からずっとその話をされてたので。
(向井)」でもやっぱ見る前の4月始まったときの心持ちでは駄目なんだなというか。
(辻村):ありがとうございます。"
他にも『ハケンアニメ』が7年前から実写化の話があった事、そして7年かかってようやく実写化に至った経緯や、作品内で流れる劇中アニメの裏話まで盛りだくさん。20分間のゲストコーナー、全編聴きどころです!