石井正則(七代目自転車名人)と疋田智(自転車博士)がいろんな角度から自転車の魅力を発信するTBSラジオ「ミラクル・サイクル・ライフ」(毎週日曜日18時30分~19時) 今週の「ポイント オブ サイクルトーク」はこちら!  

安田大サーカスの団長安田さんをお迎えしました。  

前回のご出演は昨年6月。

ちょうど10代目自転車名人に就任されたばかりの時期でした。あれから1年、自転車名人としてどのように日々を過ごされてきたのでしょうか。第一声として、「知っている人と知らない人の差が激しい」と率直な感想をお話しくださいました。自転車が好きな方からは「おめでとう」と祝福される一方で、関心のない方々からは「それってすごいことなの?」といった反応が多いそうです。それでも団長は、「自転車名人を“ベストジーニスト”くらいの知名度にしたい。もっと広く知ってもらえるよう、コツコツと頑張っていきたい」と、力強く宣言してくださいました。  

さらにこの1年の間に、団長にはもう一つ大きな変化がありました。それは「防災士」の資格を取得されたこと。きっかけは30年前に経験された阪神・淡路大震災。被災し、大切な友人を亡くされた経験があり、当時の読売新聞の一面には惨状に愕然とする二十歳の団長の姿が掲載されています。講演などで経験を語る機会はあったものの、裏付けのない語りだけでは限界を感じていたようです。そんな中、防災士という資格の存在を知り、一念発起。

高校はスポーツ推薦で入学していたため、これが人生初の本格的な受験勉強でしたが、見事に合格されました。防災士は、災害時にリーダーシップを発揮し、的確なアドバイスを行う役割があります。過去に防災啓発イベントへ参加された経験もある団長ですが、「真面目過ぎて退屈に感じる時間もあった」と振り返ります。そこで、「時に笑いを交えた、日本一面白い防災士を目指したい」と、芸人ならではのアプローチで取り組む意欲を語ってくださいました。  

続いて、「自転車と防災」というテーマでの話題に。もし大きな地震が発生し、自転車で避難しなければならない状況になったら? 自転車名人であり、防災士でもある団長が推奨するのは「マウンテンバイク」です。「アスファルトが割れるような大地震のときは、マウンテンバイクが最強」というのが団長の見解。また、シクロクロスやグラベルバイクもおすすめとのこと。エレベーターが使えない場合、階段を担いで上ることを想定すると、軽量な車種の方が運びやすいというのがその理由です。一方で、「ロードバイクはパンクのリスクが高く、少し不安」との見解も示されました。災害時の移動手段としての自転車選びにおいて参考になるお話ですね。

(TBSラジオ『自転車協会 presents ミラクル・サイクル・ライフ』より抜粋)

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