妊娠6か月まであとわずかという19週に、赤ちゃんを包んでいる絨毛膜と羊膜が細菌感染症を起こす「絨毛膜羊膜炎」に見舞われ、死産となっていた米ニューヨーク州在住のウェンディ・クルス=チャンさん。赤ちゃんは男の子で“キリアン”君と名前も決まっていたという。その腕に可愛いわが子を抱くことが叶わないまま、残酷なことに3日もすると彼女の胸からは母乳があふれ出てきたという。
深く落ち込んでしまったウェンディさんだが、ある時ふと気持ちを切り替えた。
特に“初乳”と呼ばれる黄色みを帯びた濃い母乳には大変な栄養素が詰まっている。ウェンディさんは迷うことなく搾乳を開始した。
流産、死産、常位胎盤早期剥離、そして超低体重児の出産につながる「絨毛膜羊膜炎」を避けるためにも、妊婦が特に注意したいB群レンサ球菌感染症(B群溶血性連鎖球菌感染症)。B群レンサ球菌自体は腟、直腸、膀胱、肛門などで確認される常在菌で、健康や免疫の状態に問題がなければ特に悪さはしない。膣内の検査を行ってくれる病院もあり、陽性と判明した場合にはペニシリンの投与などが行われる。
次こそはきっと自分の赤ちゃんを抱っこすると決意を新たにし、後ろ髪を引かれる思いの中でウェンディさんは断乳に成功。すでに再びの妊娠の準備にはいっている。「可愛い赤ちゃんたちの成長に触れることで、キリアンを亡くした私の心の痛みもどんどん癒されていきました」とウェンディさん。絨毛膜羊膜炎が繰り返されることを防ぐため、これから1か月にわたりペニシリン療法を受ける予定だ。
出典:http://www.goodtoknow.co.uk
(TechinsightJapan編集部 Joy横手)