「なぜ女の子など産んだのか! 男の子がよかったのに!」
そんな言葉で怒鳴りつけながらホッケーのスティックで嫁を強く叩く男たち。
警察にこの暴行事件を訴えたのはミーナさんの実家の家族で、今年4月の出来事が最近になって発覚したもよう。これにより逮捕・起訴されたのはミーナさんの夫のダルジート・シン、その兄のカマルジート、そして友人であるガウラヴの計3名。彼らは男児を授からない腹立たしさに加え、そもそも嫁入り時のダウリー(Dowry:結婚持参金)が少なかったと怒鳴りつけたという。
ダウリーとは女性側が嫁入り時に用意するもので、インドの悪しき風習のひとつだ。夫やその家族は受け取ったダウリーで宝飾品、車、家電製品、出産準備品などを購入する。当然ながらダウリーの額で夫側の機嫌やその後の嫁の扱いが変わってしまうため、年頃の娘を持つ親にとっては大きな苦悩の種とされてきた。また持参金を用意できないほど貧しい家庭では、誕生した赤ちゃんが女の子だと「不幸の種」などと言われて実の親に殺されてしまったり、非常に幼い年齢で嫁に出されてしまう例もある。
夫のダルジートとは2年前に結婚していたミーナさん。彼女の実家は要求された通り70万ルピー(約122万円)の持参金をシン家に渡していた。
インドの国家犯罪統計局によれば毎年約8,000人がこの持参金を理由に殺害されているといい、虐待の被害者は毎年約1万人。報告されない被害件数も多々あると見られ、特にインドの貧困地域に関しては世界の人権活動団体が監視の目を光らせている。
画像は『Metro 2017年7月17日付「Woman ‘beaten by in-laws with a hockey stick for giving birth to a girl’」』のスクリーンショット
(TechinsightJapan編集部 Joy横手)