新興宗教であるサイエントロジーの敬虔な信者として知られる俳優トム・クルーズ。世間では“ナイスガイ”のイメージで知られるトムだが、サイエントロジーを2013年に脱会した女優リア・レミニは『Us Weekly』の取材に対し、そんなトムのイメージに「騙されちゃダメ」「彼には裏の顔がある」と述べている。


テレビドラマ『The King of Queens』『Kevin Can Wait』などで知られる女優リア・レミニ(50)は、9歳でサイエントロジーに入信した。以降2013年に脱会するまでの約35年間をサイエントロジーに捧げたリアだったが、同団体の活動や上層部のやり方に疑問を持ち2013年に脱会、以降は“元サイエントロジスト”という独自の視点から、様々なメディアを通じて反サイエントロジー活動を行っている。

リアが2015年に出版した著書『Troublemaker: Surviving Hollywood and Scientology』はベストセラーとなり、ドキュメンタリー番組『リア・レミニ ~私は元サイエントロジー信者~(原題:Leah Remini: Scientology and the Aftermath)』は2017年に情報シリーズ/スペシャル部門(Outstanding Informational Series or Special)で初のエミー賞を受賞するなど、サイエントロジーの内部に深く切り込んだ取材内容が高く評価されてきた。

そんなリアがこのほど、敬虔なサイエントロジストとして有名な俳優トム・クルーズ(58)を『Us Weekly』の取材のなかでメッタ斬りにし、注目を集めている。リアはトムについて「かつてはまともで良識のある、心優しい人間だったこともある」が、彼がサイエントロジーに傾倒しすぎたあまり、トップである「デヴィッド・ミスキャヴィッジ氏と化してしまい」、現在は「“世界人口の80%をサイエントロジストにする”というサイエントロジーのミッションを成し遂げることに、人生の全てを捧げている」と述べた。

リアは、トムがこれまでサイエントロジーやその信者を利用し陰で様々な悪事を働いてきた―とも明かしており、かつてトムの元で働いていたリアの知り合いの女性は、サイエントロジーに多額の金を貢ぐも長期間にわたり同団体から不当な扱いを受け、挙げ句の果てに破産に追い込まれてしまったというエピソードを披露したほか、サイエントロジーとは距離を置こうとしていた当時の妻ニコール・キッドマンを離婚に仕向けるために、同団体幹部がニコールに極秘カウンセリングを受けさせたことなども暴露している。


リアは「これらはこれまで決して語られてこなかった、トムの行いの一部」で、“いい人”のイメージが定着している彼について

「世間はそろそろ真実に目を覚ますべきだと思う。トムは長年自分を偽って“いい人”を装い続けてきているだけ。」

と訴えている。

先日には、2000年公開の映画『ミッション:インポッシブル2』でトムと共演した女優タンディ・ニュートンが、米メディア『Vulture』のインタビューでトムとの共演は「悪夢のようだった」「かなり支配欲の強い人」などと述べ注目を集めたが、リアはタンディのこの発言についても

「かなり勇気のいる行動だったはずよ。もしより多くの人が彼女と同じように行動してくれたら、私達も何か変化をもたらすことができるかもしれない。」

とタンディの告白を称賛していた。

これまでも度々トムをバッシングしてきたリアだが、今回このタイミングで彼女が再びトムをターゲットにしたのは、7月にオーストラリアの『7News』で放送予定だったリアのドキュメンタリー『Scientology: Black Ops』が直前でキャンセルされてしまったことと関係があるようだ。放送10時間前の段階では予定通りオンエアされるはずだった番組が急遽キャンセルされた裏には、サイエントロジーの黒い秘密が暴かれることを阻止するためトム・クルーズや同団体幹部が『7News』に対して圧力をかけたに決まっている―とリアは見ているようだ。


このように度々行く手を阻まれながらも、現在は同じく元サイエントロジストのマイク・リンダー氏とともにポッドキャスト『Scientology: Fair Game』で様々な情報を発信し続けているリア。彼女のそんな姿は毎年高く評価されており、つい先頃には今年のエミー賞に再びノミネートされたばかりだ。サイエントロジーの実態を暴こうと活動を続けるリア・レミニとそれを阻止しようとするトム・クルーズ&教会側。トムやサイエントロジー側から今後何かしらコメントがあるかどうか、引き続き注目していきたい。
(TechinsightJapan編集部 c.emma)