幼い子が犬に襲われて大怪我をする事故があとを絶たないが、このほどアメリカに住む4歳男児がピットブルに噛みつかれて右腕を失った。ブリーダーをしている祖父母の家で、子犬を撫でようと檻に手を入れたところ事故が起きたそうで、警察は当時の男児が適切な監護下にあったかどうか調査中だという。
『KFOR』『New York Post』などが伝えている。

米オクラホマ州で暮らすアクセル・フォスター君(Axel Foster、4)は12月10日、同州テカムセでブリーダー業を営む祖父母の家で飼われているピットブルに噛まれ大怪我をした。

子犬を撫でようとしたアクセル君が檻のなかに手を入れたところ、肩下から右腕を噛みちぎられ病院に搬送されたという。

テカムセ警察署のJR・キドニー署長(JR Kidney)は、当時の状況をこのように明かしている。

「通報を受けて現場に駆けつけたアーロン・マコーミック巡査(Aaron McCormick)によると、アクセル君と祖母は車道にいたそうです。警察官がアクセル君に止血帯を装着しましたが、彼の腕はありませんでした。
すぐに消防隊員が止血の補助を行いました。犬に噛みちぎられた腕は檻のなかに残されたままだったので回収しようとしたところ、1匹の子犬が攻撃的になりその場で射殺しました。過去にも人が犬に噛まれたケースは見たことがありますし、子供がひどい怪我をしていたこともありましたが、腕が完全に切断されていたのは今回が初めてです。」

その後、アクセル君はオクラホマ大学医療センター(OU Medical Center)に緊急搬送され腕の接合手術を受けたが、残念なことに手術は成功しなかった。

母親のデスティニー・マクドーさん(Destiny McDow)は事故直後、メディアに対し「病院に急いで向かうと、看護師から腕が引き裂かれている状態だと告げられました。今でも息子が苦しんでいると思うと耐えられません。もし助からなかったらどうしたらいいのでしょう」と吐露しており、現在も治療中だというアクセル君の医療費のためクラウドファンディングサイト「GoFundMe」で支援を求めている。


同サイトによると、2度の手術を受けたアクセル君は腕の切断部分に感染症を起こし、12月15日に3度目の手術を行ったものの依然として危険な状態が続いているそうだ。

テカムセ警察署と福祉局は、当時のアクセル君が適切に監護されていたか調査中であると明かし、場合によっては祖父母が育児放棄の罪に問われる可能性があるという。

そのことについてキドニー署長は次のように述べている。

「子犬を撫でたいという無邪気な気持ちがこんな結果を招くなんて、本当にひどい話です。この子はこれからどんなクリスマスを迎えて、どんな人生を歩むのだろうか…と考えると胸が痛みます。今回の件は単純に事故であったことを願っていますが、我々はすべてを明らかにするための調査を徹底的に行います。」

画像は『New York Post 2021年12月15日付「Oklahoma boy’s arm ripped off while trying to pet pit bull puppies」(Family Handout)(KFOR)』のスクリーンショット
(TechinsightJapan編集部 上川華子)