オーストラリアのクイーンズランド州で先月末、2歳男児が飼い犬に襲われて死亡した。襲ったのは狩猟に熱心な父が飼っていた狩猟犬で、男児は頭部を激しく噛まれていたという。
『Express.co.uk』などが伝えている。

豪クイーンズランド州メナクリークに住むタラン・ピーターズ君(Talan Peters、2)が先月29日、裏庭で飼い犬に襲われた。

タラン君は頭蓋内に酷い損傷を負っており、近くの「イニスフェール病院(Innisfail Hospital)」に搬送されたが、一時は呼吸が止まり心停止に陥った。

その後、なんとか持ち直したタラン君はヘリコプターでより設備が整った「タウンズビル病院(Townsville Hospital)」に搬送されて脳の手術を受けたものの、脳内の出血が止まらず薬による昏睡状態に置かれていた。しかし脳の反応が全く見られないうえ、主要臓器が機能不全に陥り、事故から2日後に亡くなった。

一家を良く知る友人は「事故が起きた日中、母アンバーさん(Amber)はタラン君に昼寝をさせていました。
アンバーさんはベビーゲートを閉め忘れてしまったようで、目覚めたタラン君は1人で部屋を抜け出して犬がいる裏庭に行って事故に遭ったのです」と述べ、「これは悲劇」と肩を落とした。

実はタラン君を襲った犬は父ジェームズさん(James)が狩猟用に裏庭で飼っており、普段はタラン君や5歳と生後1か月の息子が近づかないように管理されていた。ジェームズさんは魚釣りや狩猟が趣味で、SNSには仕留めたイノシシと撮った写真などがたくさん並んでいるようだ。狩猟犬の種類は明らかにされていないものの、警察が現場に到着する前に処分されたという。


この事故を受け、ある獣医は「危険な犬種のブリーダーの登録を義務化し、ブリーダーの人数を制限することやしっかりとした訓練を行うことが必要」と述べており、このニュースには次のようなコメントがあがった。

「ブリーダーの登録よりもまず、危険な犬を飼うことを禁止すべき。」
「なぜ狩猟犬を小さな子の手が届くところで飼っていたのか。
しっかり管理されていなかったのでは?」
「悲劇であり、心が痛む。」
「殺された犬もかわいそう。」
「またかといった気持ち。いつになったらこんな悲しいニュースがなくなるのか。」
「親にとっては一生のトラウマだね。」


まだ2歳の息子を突然失ったジェームズさんは「息子は最後の一息まで闘って亡くなった。ハッピーで冒険好きで恐れを知らず、笑顔で部屋中を明るくするような子だった」と述べ、タラン君を“勇敢な戦士”と称えた。

画像は『WSTPost 2022年2月3日付「Tragic spiral after boy was dragged to death by family dog」(GoFundMe/Bex Newman)』のスクリーンショット
(TechinsightJapan編集部 A.C.)