このほど停電による被害を受けた各契約者に電力会社が補償金として小切手を送ったのだが、とんでもないミスをしてしまい注目を集めている。補償の対象者となったある男性は300兆円以上もの小切手を受け取り、非現実的な数字に思わず笑ってしまったと明かした。
合計74人が高額の小切手を受け取っており、電力会社は対応に追われたという。『YorkshireLive』などが伝えている。

事の始まりは昨年11月に猛威を振るった冬の嵐「アーウェン(Arwen)」により、多くの地域で停電が発生したことだった。英ウェストヨークシャー州では15万戸以上で数日間にわたって停電が続き、同州ヘブデン・ブリッジ在住のガレス・ヒューズさん(Gareth Hughes、44)は3日間も電気無しの生活を強いられていた。

こうした状況を受け、同地域で電力供給を行っている電力会社「Northern Powergrid」は停電への補償金を支払うことを決めた。補償の対象は数万人にのぼり、同社は補償金の小切手を送付する対応に追われることとなった。


しばらくするとガレスさんにも小切手が届いたが、そこには2,324,252,080,110ポンド、日本円にして363兆円を超える驚きの金額が記されていたのだ。実はガレスさん、前にも同社から別の小切手を受け取っていたが、135ポンド(約21000円)と聞いていた金額よりも少なかったために問い合わせていたという。そして再び受け取ったのが、今回の目を疑うような金額が記載された小切手だった。

非現実的な数字を目の前にしたガレスさんは「思わず笑ってしまったけど、現実的にあり得る数字ではないと思いましたよ」と受け取った当時の心境を明かした。そして自身のTwitterアカウントに小切手の写真を投稿し「銀行で換金する前に確認したいんだけど、本当にこの金額を現金にするだけの余裕がありますか?」とジョークを綴った。

この小切手の金額には多くの人が驚いており、「今すぐ換金するんだ!」「換金してその電力会社を買うのがいいかも」「私だったら絶対換金するよ」など冗談に便乗するコメントや、「この書類を作った人は大変なことになるだろうね」とこの小切手を作成したスタッフを心配する声も届いていた。


同社によると、この数字は電気メーターの番号を誤って金額として記載してしまった事務的なミスであるという。また「74人分の小切手を換金できないよう停止しました」と明かしており、高額の小切手を手にしたのはガレスさんだけではなかったようだ。

今回の件に、同社は「私たちは正直に連絡してくれた顧客に感謝しています。週末に74人のお客様全員に直接連絡を取って謝罪し、月曜日には正しい支払いが行われるとお伝えしました」とコメントを公表し、ミスについて現在調査を行っているという。

ちなみに過去には、銀行の手違いで振り込まれた1200万円超を2週間半で使い果たしたアメリカ在住の夫婦銀行のミスで約600万円が振り込まれ派手に使い込んだアイルランドに住むシングルマザーもいたが、どちらも逮捕されている。

画像は『Gareth Hughes 2022年2月12日付Twitter「Thank you for our compensation payment @Northpowergrid for the several days we were without power following #stormarwen」』『YorkshireLive 2022年2月14日付「Northern Powergrid accidentally sends Yorkshire man £2 trillion compensation cheque for Storm Arwen」(Image: Gareth Hughes Twitter)』のスクリーンショット
(TechinsightJapan編集部 iruy)