21日に茨城県・水戸市で行われたライブ内容が物議を醸しているシンガーソングライターの山崎まさよし。およそ2時間半のライブ中、歌唱したのは8曲で、大半の時間がMCに割かれていた。
この日、山崎は「歌うよりもしゃべりたい」「歌うのはしんどい」と語ったというが、歌唱そのものを期待していた観客からは批判の声があがり、ついにはライブ参加者以外も意見を述べる展開になった。想像以上に注目を浴びたこの件だが、当初起きた批判から徐々に心配と同情の声が強くなっている。

山崎まさよしのステージでのやりとりがSNSで拡散されたことで物議を醸し、一気にメディアでも取り上げられることとなった21日の公演。「あまり歌いたくないという理由でほとんどトークに終始した」「脈絡のないトークだった」という情報から、ネット上では批判的な声が多数見られたが、同じ業界に身を置く芸能人からは擁護の声も少なくない。

お笑いタレントの有吉弘行は、29日に放送された『有吉弘行のSUNDAY NIGHT DREAMER』(JFN系列)の冒頭で「今日はあんまり喋りたくないなあ…」「歌いたい」と騒動を自身に置き換えて笑いを誘ったが、「どうしたんだろうなぁ?」「そういう日もあるだろうけどね」と山崎のコンディションを心配した。昨今の「しんどい時は休みなさい」というような“無理をしない・させない”風潮がありながらも、今回のように期待に応えられないと突き放されてしまうことに「それって言い方、当たり強くない?」と言及し、現実で起きている矛盾を指摘する一幕もあった。


また、落語家としての顔も持つタレントの高田文夫は、自身のラジオ番組『高田文夫のラジオビバリー昼ズ』(ニッポン放送)でこの話題に触れ、「今の山崎まさよしを楽しめばいい」と断言した。「そんなに調子悪いんだったら、それでいいんだよ。喋りだけ聞いてもさ」「そういうもんだから。パーソナルなもんだからね、芸っていうのは。ライブっていうのは」と続け、今置かれているアーティストのあるがままを見られることがライブの醍醐味だと語っていた。ちなみに落語界では、二日酔いで落語をせずに退席したり、高座で爆睡したりする有名落語家もいたというが、逆にそれが“粋”だとして観客を笑わせていたという。
現代であれば迷わず批判の的になるのは、単に芸が異なるからなのか、演者に対し期待する方向性が変わってきたのか、何かしらの理由があるのかもしれない。

途中で退席する観客や泣き出すファンもいたという今回のライブは、希望者に対しチケット払い戻し措置がとられるという。ライブ参加者の中には、当日の異様な雰囲気を振り返り「彼の平常運転ではない」と語るファンもおり、山崎のコンディション自体を心配する声も多い。来月2日には名古屋での公演が控えているが、ファンの不安は払しょくされるだろうか。
(TechinsightJapan編集部 根岸奈央)