U12向けの短期練習プログラムを体験!
前編では練習環境や施設、食事などを紹介
今テニス界で最も注目を集めている19歳のカルロス・アルカラス(スペイン/世界ランキング7位)。彼が育ったファン・カルロス・フェレーロのアカデミー(以下JCフェレーロ・アカデミー)に、コロナ禍で思うようにテニスができなかった香港や中国の選手をはじめとするアジアの選手たちが数多く訪れている。
【画像】JCフェレーロ・アカデミーは最高の練習環境! 施設の様子や食事内容が分かる写真はこちら
空港からアカデミーへの送迎について
JCフェレーロ・アカデミーがあるスペイン・アリカンテの空港から車を借りてアカデミーまで行くこともできるが、アカデミーでは空港からの送迎サービスを行っている。筆者は空港からの送迎を依頼した。飛行機が到着しゲートを出ると、すぐに子どもたちの名前が書かれた紙を持った女性に会うことができた。
空港からアカデミーまでは車で約40分。
![スペインの“JCフェレーロ・アカデミー”で練習を体験! どんなテニスアカデミーなのか練習内容や施設・環境などを写真とともに紹介〈前編〉](http://imgc.eximg.jp/i=https%253A%252F%252Fs.eximg.jp%252Fexnews%252Ffeed%252FTennisClassic%252F7c%252FTennisClassic_004707%252FTennisClassic_004707_2.jpg,quality=70,type=jpg)
アカデミーまで古い街並みを走る
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送迎してくれる車にはこのように「JCフェレーロ」のステッカーがついていた
JCフェレーロ・アカデミーを紹介!
とても安全で落ち着いた施設
●施設の雰囲気と安全性
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選手がフィットネスを行うことも多いサッカー場
フェレーロやアルカラス、パブロ・カレーニョ・ブスタ(スペイン/同19位)らが育ったアカデミーと聞くと、商業的なイメージを持つ人も多いかもしれない。確かにコート数は多く、プールやサッカー場なども完備されているが、全体的なイメージとしては、自然の中にある落ち着いた施設だ。選手たちは自由に施設内を移動し、選手同士で食事をとる。施設内は車が入れないため安全で、さらに地方にあるため部外者が入ってくるリスクも限られている。
受け入れている選手の人数も、有名なアカデミーの割にそれほど多くない印象だ。
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スイミングプールとその奥にあるレストラン
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施設内ではたくさんのバラが栽培されていた
●宿泊施設について
“ルーラルホテル(田舎ホテル)”と呼ばれる木造づくりの部屋はとても快適だ。自然の中にあるため多少アリなどの虫が多いが、とても清潔に管理されている。不思議と蚊はいなかった。
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部屋の内装。3人用のセッティング
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部屋の外観
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アカデミーで飼われている猫が遊びに来てくれることも!
●小さなショップにはオリジナルTシャツも! ストリングの張り替えが可能
ストリングの張り替えは、ストリング持ち込みで1本15ユーロ。
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アカデミー内にある小さな売店。
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オリジナルのTシャツ
食事はどんなメニューなのか!?
朝食は簡素だが、バランスは考えられている。ハム、チーズ、パン、バナナやりんごなどのフルーツ、ヨーグルト、シリアルが朝7時から用意されている。朝の練習は基本的に9時半から。選手用の食堂は7時オープンだが、7時半前に行くとフレッシュジュースがないなどするため遅めに行ったほうがよさそうだ。
選手のランチとディナーは、しっかり栄養がとれるメニューが多い。カレーのようなものや肉類、パスタなどが出される。
一方、帯同者は朝食しか費用に含まれないため、ランチとディナーは各自レストランでオーダーすることになる。メインを一品頼むと15ユーロ程度、サラダなら8ユーロ程度だ。
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帯同者用のビュッフェ形式の朝食(費用に含まれる)
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帯同者はランチとディナーを自分でオーダーする必要がある。こちらはサーモンサラダとビール
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こちらはイベリコ豚と野菜のソテー。メインを頼むとパンが付いてくる
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トマトとツナのサラダ。
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コーヒーはこのサイズで1ユーロ
アカデミーではどのくらい練習するのか?
1日のスケジュールを紹介
12歳以下の練習スケジュールは、ざっと以下のようになる。
・9:30から11:00までテニス(あるいはフィットネス)
・11:15から13:00までフィットネス(あるいはテニス)
※テニスが先か、フィットネスが先かは毎朝アカデミー側が事務所にある掲示板に表示する。掲示板を見て、自分がどのコートに配置されているか確認する
・部屋に戻ってシャワーと休憩
・13:30からランチ
・ランチ後、休憩
・16:00から17:30までテニス(あるいはフィットネス)
・17:45から19:00前くらいまでフィットネス(あるいはテニス)
※19:00ピッタリまでやるケースは少ない。特に年少者のフィットネスは時間より早く切り上げることが多そうだ
・19:30以降ディナー
※食堂はランチの後19:30まで閉まっているので、必ず19:30以降に行くこととなる
ランチの後はたっぷり休憩があるのもスペインらしい。午後の練習は16時からだが、休憩中は卓球などをして遊ぶこともできるし、部屋や事務所に設けられたスタディースペースで勉強をする選手もいる。希望者に対しては、英語やスペイン語、ロシア語を教えるクラスを提供しているので、練習の合間に語学の勉強をすることも可能だ。
帯同者は何をする!?
アカデミーでは、選手が自分ですべてこなせるようなシステムになっているため、親などの帯同者は基本的に子どもが練習から戻ったときの世話くらいしかすることがない。車があればいいが、筆者のように空港から送迎してもらった場合、帯同者はテニス、スイミング、ランニング、ヨガ、仕事など各自やれることを見つける必要があるだろう。とはいえ、リラックスするには最高の環境であることは間違いない。
以上、前編では主に施設や環境について述べた。後編では、実際にどのような練習をして、どんなアドバイスを受けたのか、トレーニングの内容について紹介。また、今後JCフェレーロ・アカデミーでのトレーニングを考えている方に向けて、滞在するにあたり気になったことや12歳以下向けの年間プログラムに参加するために必要なことなどについて触れる。
〈後編へ続く〉