全5試合ストレート勝ちで優勝
9月25日、「東レ パン パシフィック オープン」(東京・有明/WTA500)シングルス決勝が行われ、リュドミラ・サムソノワ(世界ランキング30位)がジェン・チンウェン(中国/同36位)を7-5、7-5のストレートで下し、大会初出場にして初優勝を決めた。
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サムソノワは、夏の北米ハードコートシーズンに入ってから好調を維持している選手。
今大会も、1回戦でウィンブルドン覇者のエレナ・リバキナ(同22位)を撃破すると、2回戦ではワン・シンユ(中国/同78位)に対して13本のエースを決めて勝利。準々決勝では第3シードのガルビネ・ムグルザ(スペイン/同12位)を、準決勝ではジャン・シューアイ(中国/同28位)を下し、決勝に進んだ。
一方の中国の新鋭19歳のジェンも、今年に入って勢いに乗っている選手。昨年の今の時期は世界ランキング150位台だったが、今年の1月末にトップ100に入ると、今年の全仏オープン4回戦で優勝したイガ・シフィオンテク(ポーランド/同1位)に1セットを奪う活躍。その後WTA125バレンシア大会(スペイン)で優勝するなど、順調にランキングを上げてきている。
今大会は1回戦で土居美咲(ミキハウス/同107位)を下すと、続く2回戦では第1シードのパウラ・バドサ(スペイン/同4位)にストレート勝ち。その勢いのまま準々決勝ではクレア・リュー(アメリカ/同84位)に、準決勝では第4シードのベロニカ・クデルメトワ(同13位)に勝利し、決勝へ勝ち上がってきた。
この2人の過去の対戦は一度だけあり(昨年のWTA250パレルモ大会1回戦)、その時はジェンがストレートで勝利。この時のサーフェスはクレーコートで、ハードコートでは今回が初対戦となった。
そんな今季好調の2人の決勝戦は、第1セット序盤から激しいラリーの応酬に。第2ゲームで、ジェンに15-40とブレークポイントが2回あったが、サムソノワが武器のサーブでポイントを重ねピンチを凌ぐと、その後はお互いにブレークポイントを許さず。
ゲームが動いたのは5-5で迎えた第11ゲーム。サムソノワが集中力を上げ、ストロークをベースラインの深いところに打ち込みプレッシャーをかけると、ジェンに初めてのダブルフォールトが出るなどして、サムソノワがブレークに成功。6-5とする。これが決定的となり、第12ゲームをサムソノワがサーブで攻めて確実にキープし、第1セットを7-5で先取する。
第2セットもスタートから、両者ともにサービスゲームをキープしていくが、第5ゲームでミスが増えたジェンに対し、強いショットをベースラインの深いところに決め続けたサムソノワが先にブレークする。しかし直後の第6ゲームで、ジェンがサムソノワのセカンドサーブを積極的に強打してポイントにつなげ、ブレークバックに成功。その後はお互いに2ゲームずつキープし、5-5となって迎えた第11ゲーム、集中力がやや切れたジェンは大事な場面でストロークのミスを犯してしまう。サムソノワはそこを逃さず攻撃し、再びブレークに成功。6-5とすると、次のサービスゲームをしっかりとものにし、このセットも7-5で奪取。サムソノワがセットカウント2-0で勝利し、今大会1セットも落とさずに優勝を決めた。
試合後、「今日は非常に厳しい試合になると想像していたし、実際に彼女(ジェン)は素晴らしいプレーをしていた。
現在はリターンのフォームについて探っていると明かし、「少しずつ成長しようと今も努力を続けている。毎週、そして毎月、何か新しく取り組めることを見つけて、それに焦点を当てて練習している」と常に自分のテニスの向上に励んでいるという。
一方、惜しくも敗れたジェンは「今日の試合は相手の選手がとてもよかった。
*=ウィンブルドンはロシア人、ベラルーシ人選手のエントリーを拒否。そのため、ロシア人のサムソノワは欠場となっている。それを受けてATP、WTAがポイント付与しないと決定している