マルセイユで4年目のシーズンを迎えた酒井宏樹 photo/Getty Images
「みなさんに100%伝わって欲しい」
日本代表DF酒井宏樹が所属するマルセイユは30日、リーグ・アン第15節でブレストをホームへ迎え入れる。この試合に先立って行われた記者会見に、酒井が出席。
マルセイユ加入4年目のシーズンを迎えたが、今季もチームの主力として活躍している酒井。現在3連勝中で2位につけている好調なチームや、夏の補強があまり行われなかった中で新シーズンを迎えたチームの変化などについて聞かれると、次のように述べている。
「もちろん、全ての試合に対して勝つつもりでいますし、とにかく今は勝ち点3を積み上げることがチームにとって大事だと思っています。勝敗に関しては、本当にわずかなところで勝利に変わったり、敗北に変わったりということが起きるので、詳しい理由というのが一概に1つということはありえません。数々の理由が積み重なって、ポジティブなところに変化していると思います。それに関しては日々の試みというのが報われているのかなと思います」
「やっぱりなかなか結果が出ない中でも、苦しみながらも勝ち点3を積み上げてきたことが、今の順位に反映されていると思います。練習の雰囲気もすごくいいですし、若い選手があれだけ勢いがあるということは、チームにも勢いをもたらしてくれているなと思います」

今季からマルセイユを率いるビラス・ボアス監督 photo/Getty Images
酒井はここまで11試合に出場しているものの、今季は細かい怪我にも悩まされ、なかなか万全の状態で試合へ臨むことができていない。
「100%でプレイできている状態というのは、サッカー選手では少ないです。それでも試合に出ている限りは言い訳は全くできないですし、常に100%で(試合に)出ているというところをみなさんには見て欲しいなと思います。だから言い訳をするつもりはないですし、ただただ自分がうまくやるだけかなと思います」
かつてポルトやチェルシー、トッテナムといった名門クラブを率いたビラス・ボアスが、今季からマルセイユの指揮官に就任した。新指揮官にはいい印象を持っているようだ。
「コミュニケーションに関しては、監督が熱心に理解できるところまでしっかり自分に対して語りかけてくれるので、そこに関しては全く問題ないですね。日本でも有名な人なので、僕自身一緒にやれてすごく嬉しいですし、もっともっと期待に応えられるようにプレイの幅を広げていきたいなと思います」
フランスでの生活も4年目を迎え、マルセイユ不動のサイドバックとして板についてきたが、自身の立ち位置について聞かれると、このように答えている。
「立ち位置……どうですかね……。入団した時と変わらず、引っ張っていく立場でも、追っていく立場でもないと思います。ただただ自分ができることを、何がチームにとってプラスになるかってことを探しながら、プレイしていくだけだと思います」

日本代表でも必要不可欠な存在となっている酒井宏樹 photo/Getty Images
代表にも選ばれる選手で、最も懸念されるのが長距離移動による疲労だ。酒井も「疲れないといったら嘘になる」と述べているが、疲労よりも日の丸を背負う喜びの方が大きいという。
「やっぱり代表チームっていうのは、クラブとは違った、クラブでは経験できないような誇りだったり、国を背負う責任というものを味わわせてもらえるので、僕個人としては非常に大変ですけど、二つをやらせてもらっているのはすごく幸せですね」
さらに、記者会見でフランス語を使わず、通訳を通して想いを伝える理由について、次のように明かしている。
「僕的にはみなさんに100%で伝わって欲しいので、このプレスカンファレンスでフランス語でしゃべることはないかなと思います。ただ、みなさんと外で世間話をするのは、フランス語で全く問題ないので、そのときはぜひ」
「マルセイユの人々は、リスペクトや規律がしっかりしている日本とは正反対のイメージがある。それにどう溶け込んでいるか」という質問が飛んだ。苦笑いしながらも、マルセイユ愛を口にしている。
「僕はここでサッカーをやらせてもらっていますし、ハノーファーがドイツで苦しい思いをしたときに拾ってもらったクラブなので、そこにいる人たちを好きになる以外はありえません。
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