サッカー界の代表的な“バンディエラ”と言えたデ・ロッシ(左)とトッティ(右)も現役を引退した photo/Getty Images
「将来的にはさらに減る」
クラブのイズムを完璧に理解し、チームを象徴する選手をサッカー界では“バンディエラ(イタリア語で旗手)”と呼ぶが、そう言えるような存在は今後次第に減っていくのだろうか。ドルトムントに所属するMFマルコ・ロイスが、この“バンディエラ”について自身の考えを述べている。
2012年夏からユース時代を過ごしたドルトムントに復帰しプレイを続けているロイス。同クラブの在籍年数は下部組織時代を含め17年半。30歳ということを考えると、実に人生の半分以上をドルトムントの選手として過ごしている。一時はチームを離れた時期もあったが、彼もまた“バンディエラ”と呼ぶに相応しい選手だろう。
そんなクラブの象徴として活躍を続けるロイス。しかし、同選手は自身を含めそういった“バンディエラ”と呼べる存在が今後そう遠くないうちにサッカー界から姿を消すかもしれないと主張している。独『Die Welt』のインタビューに登場したロイスはこれについて次のように語った。
「僕や(トーマス・)ミュラーのような選手はサッカー界にもうほとんどいない。将来的にはさらに減っていくだろうね。僕がその代表例として思い浮かぶのはフランチェスコ・トッティとダニエレ・デ・ロッシの2人だ。だけど、そういった一つのクラブに10年以上在籍する選手はこれからどんどん希少価値が高まっていくと思うよ」
“バンディエラ”の代表格として知られるASローマのトッティとデ・ロッシが現役を引退した今、ビッグクラブで長く活躍する選手が自分とバイエルン・ミュンヘンのミュラーくらいしかいなくなってしまったと語ったロイス。選手にとって移籍のハードルが低くなっている昨今、そう思うのも無理はないか。
いつのまにかサッカー界で絶滅危惧種となってしまった“バンディエラ”。はたして、今後新たにそう呼ぶに相応しい選手は出現するのだろうか。今季はトッティやデ・ロッシを輩出したローマも、レンタルとはいえ後継者と目されていたMFアレッサンドロ・フロレンツィを手放している。もしかすると、“バンディエラ”という言葉が死語になる日もそう遠くはないのかもしれない。
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