岡崎所属のウエスカも引き分けが多い photo/Getty Images
以前ほどの魅力はないか
これまでスペインのリーガ・エスパニョーラは欧州5大リーグの中でも攻撃性が高く、見る者を魅了するリーグとして人気を誇ってきた。人気だけでなく実力もあり、長らく欧州の頂点を争ってきたバルセロナとレアル・マドリードの存在も大きかった。
ところが、今のリーガ・エスパニョーラはどうだろうか。まず2強だったバルサとレアルの実力が明らかに落ちており、彼らが勝ち点を取りこぼすケースも珍しいものではなくなってきた。レアルはクリスティアーノ・ロナウドが退団してから得点力がガクリと落ち、エデン・アザールも負傷離脱が続くなど攻撃面のスター性は大きく損なわれてしまった。
一方のバルセロナも今夏に退団の噂があったリオネル・メッシのモチベーションが疑問視されており、今季はリーグ戦10試合をこなして4得点しか奪えていない。悪い数字ではないが、メッシからすれば平凡すぎる得点数だ。メッシの無双モードが見られない今のバルセロナにどれだけのサッカーファンが興奮するのか。このままではバルセロナの人気も下降してしまうだろう。
さらに気になるのはスコアレスドローの多さだ。今季のリーガはここまで全112試合を消化し、何とスコアレスドローが22試合もある。全体の20%を占めていることになり、これは欧州5大リーグでは最多の数字となっている。

久保の所属するビジャレアルもすでにスコアレスドローが3試合も photo/Getty Images
ブンデスやプレミアとは数字に違い
その中で日本のサッカーファンとして気になるのは、引き分けが多いクラブに日本人選手が所属しているということか。
さらに引き分けが2番目に多いのはMF久保建英の所属するビジャレアルで6分だ。6日のエルチェ戦もスコアレスドローだったが、10月のアトレティコ戦、カディス戦に続いて3度目のスコアレスドローだ。手堅いと言えば聞こえはいいが、リーグ戦3位に付けているチームが12試合で15得点しか奪えていないのも少々寂しいものがある。久保も未だリーグ戦ではノーゴールで、エンターテイメント性溢れるサッカーとは言い難い。
スコアレスドローのゲームにも内容が面白いものは多々あるが、ゴールシーンを見て盛り上がりたいと考えているサッカーファンにとって今のリーガはかなり物足りない。最もスコアレスドローが少ないのはドイツ・ブンデスリーガで、ここまでたった6試合。割合にすると7%となっており、とにかくゴールが多く決まる展開が見たい人はブンデスリーガを優先する方がいいか。
それに次いでスコアレスドローが少ないのがイングランド・プレミアリーグで10試合。割合にすると9%で、プレミアも点の奪い合いになるケースは多い。
2強の力が衰え、得点を量産するチームも少ない今のリーガは数年前に比べて明らかに魅力が落ちた。