ブレイクの兆し見せるグイリ photo/Getty Images
A代表のメンバー争いは今後も激しくなる
2018ロシアワールドカップを制したフランス代表の恐ろしいところは、今なお続々と優秀な若手選手が出てきているところにある。タレント力を考えると来夏のEURO2020はもちろん、その後の2022カタールワールドカップやEURO2024でも優勝候補に挙げられることだろう。
では、今見ておきたい若手は誰か。フランスは国内のリーグ・アンにて若手にもチャンスを積極的に与えており、今季も主力として活躍している若手が数多く存在する。中でも注目したいフランス人選手は4人だ。
1.アミーヌ・グイリ(FW/ニース/20歳)
グイリはかなり有名な選手と言えよう。2017年にはリヨンの選手としてトップチームデビューを果たし、同年に行われたU-17欧州選手権では大会得点王にも輝いた。10代の頃から超がつくほど有名なヤングスターだったのだ。
しかし、そこからは少々トーンダウンした。20歳になった今もA代表でのプレイ経験はなく、ブレイクが遅れた印象だ。
とはいえ才能は衰えていない。今季からは活躍の場をニースに移し、そこで早くも17戦8ゴール3アシストと確かな結果を残している。リーグ戦で4得点、ヨーロッパリーグで4得点と複数コンペティションで結果を残していることも特徴的で、ようやく本領発揮といったところか。
また今季のグイリは17試合で11ゴールに関与しているが、これはパリ・サンジェルマンFWモイーズ・キーン(10ゴール)やドルトムントMFジョバンニ・レイナ(8ゴール)といった選手たちも超えており、2000年以降に生まれた選手の中で今季グイリを上回っているのはドルトムントFWアーリング・ハーランド(20ゴール)のみとなっている。
同じ2000年生まれのプレイヤーとしてグイリもハーランドに負けるわけにはいかない。
2.アディル・アウシシュ(サンテティエンヌ/MF/18歳)
パリ・サンジェルマンの下部組織で結果を出してきたものの、ポジションを確保できぬまま他クラブへ向かう若手が増えている。攻撃的MFのアウシシュも今夏にサンテティエンヌ行きを選んでおり、やはりネイマールやキリアン・ムバッペらスターが揃うパリで10代のプレイヤーが出番を掴むのは簡単ではない。
しかし中堅クラブのサンテティエンヌなら話は違う。チームを指揮するクロード・ピュエルは早い段階からアウシシュにチャンスを与えており、ここまでリーグ戦12試合で1ゴール2アシストと活躍。優雅なプレイスタイルからリーグ9番目となるキーパス数(シュートに直結するパス)24本を記録し、ドリブル成功数も全体17番目の22回と悪くない。まだ18歳と若いが、2022カタールワールドカップの頃にはA代表へ割って入れる可能性もある。それだけのポテンシャルを秘めている選手だ。

レンヌの中盤を支えるカマビンガ photo/Getty Images
3.ブノア・バディアシル(モナコ/DF/19歳)
レアル・マドリードでプレイするフランス代表の先輩DFラファエル・ヴァランとも比較されるバディアシルは、194cmと抜群のサイズを誇るセンターバックだ。モナコではすっかり主力になっており、今季もリーグ戦14試合に出場。近いうちにトップクラブへ向かうのは間違いない。
サイズが物語るように空中戦には強く、今季もリーグ戦では全体7番目に多い51回の空中戦勝利数を記録している。またパス本数はリーグトップとなる1034本を記録しており、足下の技術も伸ばしていけると理想的なセンターバックになるだろう。
ライプツィヒで活躍するダヨ・ウパメカノも今後のフランス代表を支えていけるセンターバックで、ヴァランの次の時代を引っ張れるであろうセンターバックが続々出てきているところもフランスは恐ろしい。
4.エドゥアルド・カマビンガ(レンヌ/MF/18歳)
こちらは今や超有名なヤングスターだ。
ビッグクラブへ向かうのも確実で、フランスの中盤における新たな宝石だ。現代サッカーらしい弱点の少ないMFであり、ボール奪取力に加えてテクニックも悪くない。昨季もリーグ戦24試合でパス成功率87.7%と高い数字を残しており、10代であることを考えると十分に合格点か。
早ければEURO2020でも戦力になる可能性があり、上手くいけばフランスの中盤に10年以上君臨する存在になるかもしれない。単なる実力者ではなく、フランス代表の新たなリーダー候補とも言えるか。
フランスからは今後も優秀な若手が出てくるはずで、リーグ・アンで彼ら若手の成長を見ていくのも楽しみの1つだ。ここで紹介した4人もフランスを離れる時がくるはずで、リーグ・アンでプレイしている今の段階からチェックしておきたい実力者たちだ。(データは『WhoScored.com』より)