PKでゴールを挙げ、バルセロナを敗退に追いやったムバッペ photo/Getty Images
CL決勝トーナメントでともに爆発
欧州サッカーにおいて、今季は新時代の始まりを告げるシーズンなのかもしれない。UEFAチャンピオンズリーグの決勝トーナメント(ラウンド16)でバルセロナとユヴェントスが敗退。
メッシとロナウドがCLでどちらもベスト8に進めなかったのは2004-05シーズン以来のこと。それだけ両者が欧州サッカーの最前線で戦ってきたことを示すデータだが、それだけにこの記録が途絶えたことは時代を象徴する出来事といえるのではないか。
その一方で、今季CLの舞台では2人の若者が躍動した姿を見せ、新たな時代の到来を予感させている。パリ・サンジェルマンのキリアン・ムバッペとドルトムントのアーリング・ハーランドの2選手である。
22歳のムバッペはバルセロナとのCL決勝トーナメント(ラウンド16)1stレグでハットトリックの離れ業をやってのけると、現地時間10日に行われた2ndレグでもPKから1ゴール。これまでメッシが持っていたCL通算25ゴールの最年少記録を塗り替えた。
一方20歳のハーランドも負けていない。ノルウェー代表FWはセビージャとのCL決勝トーナメント(ラウンド16)で、1stレグに続いて現地時間9日に行われた2ndレグでも2ゴールを記録。わずか14試合の出場で史上最速となる20ゴールを達成するなど、今季のCL得点ランキングで首位となる10ゴールを挙げている。
CLの舞台からは姿を消すことになったが、メッシとロナウドは国内リーグでは得点ランキング首位に君臨するなど、ともに世界トップレベルの選手であることは確かだ。年齢を重ねプレイスタイルを変えながらも、その存在感は依然として唯一無二のものである。
しかし、ムバッペとハーランドという2人のアタッカーの活躍は、メッシとロナウドという“2大スター”からバトンを引き継ぎ、新たな時代を作っていくことを予感させる。それだけフランス代表FWとノルウェー代表FWがみせる近年の活躍はインパクトがあるものだといえる。
PSGとドルトムントに所属する両者だが、移籍市場では様々なビッグクラブからの関心が伝えられるなど将来的なステップアップが期待されている。メッシとロナウドがスペインで見せてきたように、プレミアリーグやリーガ・エスパニョーラなど新たな舞台でムバッペとハーランドが相まみえる可能性も十分にある。
ベスト8に勝ち進んだムバッペとハーランドがCLの舞台でさらにどんな活躍を披露し、見る者を驚かせてくれるのか。今季の残りシーズンで見せる彼らの活躍によっては、本格的に新たな時代の到来を告げることにつながるかもしれない。
欧州トップレベルの舞台で躍動するムバッペとハーランド。2人の若者が新たなサッカー界を引っ張る存在となり時代を作り上げていくのか、期待は膨らむばかりだ。