ポジションを掴んでいるとは言い難いジェズス photo/Getty Images
“偽9番”ならシウバの方が
ガブリエウ・ジェズスがパルメイラスからマンチェスター・シティに加入して5年。ここまではチームの大黒柱であるセルヒオ・アグエロの後塵を拝してきた同選手だが、今季はアルゼンチン代表FWが負傷し、9番のファーストチョイスとなったジェズス。
指揮官であるジョゼップ・グアルディオラが、ベルナルド・シウバを最前線に置く偽9番のスタイルを重宝しているのがその理由だ。実際、直近の大一番であったボルシアMG戦ではそれが功を奏し、無事ベスト8に進出している。ジェズスもその役割をこなせるのだが、どうしても中盤での振る舞いはシウバに劣ってしまう。であれば、本来のポジションである9番の位置でプレイするのも良いが、プレミアリーグではマンCに対し後ろにディフェンスを5枚おいてスペースを消す戦術が主流となっており、高さを活かせないジェズスには難題となってしまう。となれば、チームは偽9番のスタイルで試合に臨むほうが合理的なのだ。
そんなジェズスだが、前線に立てば守備での貢献が光り、流動的な動きからスペースを作り出して攻撃に厚みを持たせることができる選手であり、現代的なFWと言っていい。となれば、わざわざ密集する相手の守備に飛び込まず、サイドから中に入る動きのほうが効果的であると言える。実際、第28節フラム戦では[3-4-3]の左ウイングで先発。攻撃時は中央にポジションを移し、左ウイングバックのバンジャマン・メンディにスペースを与えていた。
フラム戦のように3バックを使う機会は今後少ないと思うが、ジェズスの新境地を見たような試合であったことは間違いない。ジェズスの起用法に関しては試行錯誤を続けている印象だが、シーズン終盤に答えは出るのか。