サンパウロでプレイしていたパト photo/Getty Images
移動の激しいキャリアに
怪我がなければ、キャリアはどうなっていただろうか。
ブラジルサッカー界にとって残念だったのが、FWアレシャンドレ・パトのキャリアだ。
パトといえばブラジルの名門インテルナシオナルで早々に頭角を現し、日本で行われたクラブワールドカップで活躍したところから一気にブレイクした天才肌のアタッカーだった。クラブワールドカップでのパフォーマンスからパトに注目するようになった日本のサッカーファンも多いだろう。
その後移籍したミランでは2008-09シーズンから3シーズン続けてリーグ戦二桁得点を記録するなど、キャリア前半は悪くなかった。ブラジル代表の方でも順調にデビューし、同国のスターになっていくと期待されていた。
しかし、その後は怪我もあって停滞。2011-12シーズンと2012-13シーズンはリーグ戦でたった1点しか奪えず、欧州5大リーグでのキャリアに急ブレーキがかかった。
その後は一時ブラジルへ戻り、そこからチェルシー、ビジャレアル、中国、そしてまたブラジル復帰と移動の激しいキャリアに。そして今冬には、アメリカのオーランド・シティと契約を結んだ。初のMLS挑戦だ。
カカーに続く元ブラジル代表プレイヤーとしてオーランドでもパトには注目が集まっているようだが、このようなキャリアとなったのは少々残念ではある。
年齢的には2014年に母国ブラジルで行われたワールドカップにも出場できたはずで、当時もセンターフォワードはベテランのフレッジが担当するなど決して層が厚いわけではなかった。ネイマールらとの共演が実現していれば、面白い化学反応が見られたかもしれない。
まだ31歳と老け込む年齢ではないが、MLSから再び名を世界に轟かせることができるのか。迷えるパトの新たな挑戦が始まる。
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