日本代表にも招集されている田中 photo/Getty Images
川崎公式が交渉中と異例のリリース
田中碧がいよいよ欧州へと挑戦する日が来るのだろうか。川崎フロンターレは公式にて「田中碧選手は、海外クラブからのオファーを受け、移籍を前提に交渉・調整を進めています」と発表。
チームは27日にAFCアジアチャンピオンズリーグの初戦を迎える。開催されるウズベキスタンの地へ移動しているメンバーに田中は帯同していないことも伝えている。
移籍先の候補となっているのがフォルトゥナ・デュッセルドルフだ。過去には宇佐美貴史や原口元気など複数の日本人選手が所属し、今季は日本とドイツのハーフであるアペルカンプ真大がブレイクした。
今季5位で終わり2部に残留。日本のトップである川崎の中心選手の1人である田中ならブンデス1部でのチームでもやれるのではないかという意見もSNSなどでは見られる。ただドイツの移籍市場を見ると、2部での挑戦も悪くないのではないか。
現在バイエルンで活躍しているレオン・ゴレツカはボーフムで、ヨシュア・キミッヒは当時2部のライプツィヒでデビュー。バンジャマン・パヴァールもフランスからシュトゥットガルトの1部昇格に貢献し、ブンデスで大きく躍進した。ドイツの移籍市場では、下部リーグで活躍した選手が上位クラブへ引き抜かれる“個人昇格”が多い。アピールを続けることができれば、1部クラブへの移籍も十分あり得るだろう。
現に今シーズン、ハノーファーで活躍した原口元気はブンデス1部への移籍を望み、ウニオン・ベルリンへと移籍を決めている。
過去には2部のボーフムで活躍した乾貴士が、翌年にフランクフルトへ移籍。1860ミュンヘンに移籍して半年で6ゴールを決めた大迫勇也は1部へ昇格したケルンへと加入を決めている。
また遠藤航も移籍はせずとも2部で活躍してチームの昇格に貢献。今季は9位で終了して遠藤はデュエル勝利数で1位となっている。移籍先候補となるデュッセルドルフに求められるのは、遠藤航のような成長だろう。遠藤はベルギーでの経験を経て現在の地位まで登り詰めたが、田中にも彼のような活躍を望まれる。その成績でステップアップとして強豪クラブへ移籍となれば、チームに資金をもたらすこともできるだろう。
初のブンデス移籍で1部に行くよりも、2部でドイツの環境に慣れた後にトップリーグへ引き抜かれることがあれば、移籍先でも高いパフォーマンスを残すことができるかもしれない。正式加入となれば、クラブと田中の躍進にも期待したい。
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