イタリア代表をコントロールするジョルジーニョ photo/Getty Images
主役は中盤をコントロールした選手たちか
いよいよ決勝を残すのみとなったEURO2020。多くのスタープレイヤーが圧巻のパフォーマンスを披露してきたが、大会MVPを選ぶなら誰になるだろうか。
こうしたメジャートーナメントでの個人賞はバロンドールの選考にも繋がるケースがあり、実際に2018年のワールドカップ・ロシア大会でMVPを受賞したクロアチア代表MFルカ・モドリッチはそのままバロンドールにも選ばれている。
同じMFに目を向けるならば、ここまでのEURO2020で目立っているのはイタリア代表の中盤だろう。中でもチームのバランスを取るジョルジーニョは大会を通して安定感があり、バロンドール候補なんて呼び声もある。派手さはないが、ジョルジーニョも今大会のMVP候補だろう。
さらにMFではベスト4まで勝ち進んだデンマーク代表から、トッテナム所属のピエール・エミール・ホイビュルク、バルセロナ所属のスペイン代表MFペドリも候補に挙げていいだろう。
ホイビュルクは攻守両面で気の利いたパフォーマンスを見せており、ジョルジーニョと同じくバランス能力に優れている。ペドリも18歳とは思えぬテクニックを披露するなど、大会を大いに盛り上げてくれた。

イングランド代表で決定的な働きを見せるスターリング photo/Getty Images
守備陣の活躍も見逃せない
何かと目立つ前線ではポルトガル代表FWクリスティアーノ・ロナウドが5得点を挙げて大会得点ランク1位に立っているものの、ロナウドの場合はPKが3つもあった。チームもベスト16で敗れているため、MVPには挙げづらい。同じ得点ランク首位に立つチェコ代表FWパトリック・シックの方が印象的だろう。
結果に繋がっている点では、イングランド代表FWラヒーム・スターリング、ハリー・ケインの2人も外せない。イングランドはグループステージで2点しか奪えなかったが、その2点を奪ったのはスターリングだ。
イタリア代表FWロレンツォ・インシーニェも印象的で、左サイドから得意のパターンで2得点を挙げるなどチームをファイナルまで導いている。
守備の方ではイタリア代表DFレオナルド・ボヌッチに加え、攻撃面で印象的だったレオナルド・スピナッツォーラも候補か。デンマーク代表を統率するDFシモン・ケアー、イングランド代表で無失点を続けるジョン・ストーンズあたりも面白い。
GKではそのイングランドを後方から支えるジョーダン・ピックフォード、準決勝のスペイン戦ではPK戦の強さも見せたイタリアの若き守護神ジャンルイジ・ドンナルンマも挙げられるはずだ。
総合すると、今大会は中盤でバランスを取る選手の活躍が目立っている。MVP候補とまではいかないかもしれないが、イングランド代表のカルヴィン・フィリップスとデクラン・ライスのボランチコンビも優秀だ。
ワールドカップ・ロシア大会に続いてMFからMVPが出る可能性もあるが、誰がふさわしいのか。