4年前の最終予選で輝いた井手口 photo/Getty Images
オーストラリア戦では田中碧がチームを救った
2018年のワールドカップ・ロシア大会出場を懸けたアジア最終予選も、今思えば苦難の連続だった。
当時もヴァイッド・ハリルホジッチ前監督の手腕を疑う声があり、攻撃にエンターテインメント性が感じられないチームだった。
本田圭佑、香川真司、岡崎慎司らの世代もベテランの領域に入り始めていたが、新陳代謝もそこまで上手く進んでいなかった。最終予選の初戦ではUAEに敗れてしまい、黒星スタートだったところも今回と同じだ。
だが、当時のハリルジャパンでは何人か救世主が誕生した。今回のオーストラリア戦で活躍したFW浅野拓磨もその1人で、当時のハリルホジッチの思い切った起用は当たった。

オーストラリア戦では田中碧が躍動 photo/Getty Images
最終予選で苦しんでいるのは前回と同じ
さらにUAEとの2戦目、タイ戦で得点を記録したFW久保裕也も救世主だった。現在代表から離れているのは残念だが、久保の登場に日本の未来を見たサポーターもいたはず。
そして予選突破を決めるオーストラリア戦にて豪快なミドルシュートを決めたMF井手口陽介だ。運動量も豊富な井手口はハリルホジッチの目に留まり、オーストラリア戦にてスタメンを確保。最終的にはこの起用が当たった。
苦しい最終予選を総合力で突破し、監督交代のトラブルもありながらもワールドカップ・ベスト16入りを果たしたのが前回大会だった。
今回も最終予選は苦しい。救世主の登場に期待したいところで、その1人目が先日のオーストラリア戦にて先制点を決めたMF田中碧となるのだろう。
最終予選では特別な運を持っている選手も必要で、今後も1試合ごとにヒーローが欲しい。東京五輪世代からの突き上げに期待したいところだが、今回の最終予選で田中に続く者は現れるのか。カタール大会以降の4年間を考えても、若い選手の台頭に期待がかかる。