ポチェッティーノ監督は今後メッシをどう使ってくるか photo/Getty Images
ここまでリーグ戦では無得点
今夏移籍市場では、FWリオネル・メッシを筆頭にDFセルヒオ・ラモスやGKジャンルイジ・ドンナルンマなどの実力者を多数獲得したパリ・サンジェルマン。“新・銀河系軍団”の完成に、多くの人が大きな期待感を抱いていたことだろう。
しかし、空前の大補強を敢行したPSGはいまだにその新戦力を活かしきることができていない。なかでも気になるのは、やはりメッシだ。ここまで公式戦7試合に出場して3ゴールを挙げている同選手だが、リーグ戦での得点はいまだゼロ。新天地でのサッカーにはまだ対応しきれておらず、期待されていた働きを見せることはできていない。
その原因はなんなのか。ひとつ考えられるのは、彼のプレイエリアがゴールから遠い場所となっていることか。バルセロナ時代と同様にスタートのポジションこそ右ウイングではあるのだが、PSGでは少し下がった位置でボールを受けることも多くなっているメッシ。やはり彼に得点を取らせることを考えるならば、もう少し高い位置でプレイさせたいところ。形式的に右サイドに置くならば、いっそのこと偽9番のような形で中央に配置するのはアリかもしれない。
実際、マウリシオ・ポチェッティーノ監督も今季は何度か彼をトップ下に配置している。試行錯誤は続いているものの、メッシ本来の良さを生かすのであればより中央を任せるのが理想的か。かつてアーセナルなどで活躍した元フランス代表FWティエリ・アンリ氏も、メッシはより中央で使った方が活きると次のように語る。
「今のメッシは悲しいことに孤立していて、ほとんどボールに触れることができていない。これは私個人の意見だが、メッシはもっと中央でプレイすることを好む選手だと思うよ。スタートで右に配置されることはあっても、そのポジションで継続的に違いを生むことはできないと思う。やはり、よりリズムを持って彼にプレイさせたいなら、中央のポジションを任せるべきだと思うんだ」
「難しいミッションなのは理解している。だが、マウリシオ(・ポチェッティーノ)は早急にネイマールとムバッペ、そしてメッシが快適にプレイできるシステムを見つけ出さなければならない。今のままでは、メッシがそれほどチームに貢献できない選手になってしまうよ。それぞれの選手の特長が噛み合っていないのはわかるが、どうにか彼らを同じペースでプレイさせないとね」(仏『Le Monde』より)
現地時間24日に行われたリーグ戦第11節のマルセイユ戦でも無得点に終わったPSG。現時点で首位をキープしているものの、解決すべき課題は多い。はたして、このメッシ問題を筆頭にポチェッティーノ監督は今後どのような手を打ってくるのだろうか。サッカー界の至宝を擁している以上、その能力は最大限に引き出したいところだ。