田中碧がピッチに入ってからは攻守に安定感が生まれた photo/Getty Images
まだ23歳と伸びしろは十分だ
アジア最終予選でベトナム代表に勝利した日本代表。1-0と得点力不足は目立ったが、まずは勝ち点3を獲得できたことに一安心か。
勝ち点を9にまで伸ばした日本代表だが、オーストラリア戦から2連勝を達成している。得点力不足とはいえゴールは奪えており、チーム全体の動き出しも良くなっている。やはりアンカーに遠藤航を配置し、その前にインサイドハーフを2枚並べたことが功を奏したか。
特にMF田中碧の働きは素晴らしい。今夏の移籍市場で川崎フロンターレからドイツの2部であるデュッセルドルフへ移籍した田中。シーズン途中からチームに合流したが、ここまで9試合に出場しており、中盤で出場機会を得ている。
そんな田中の武器は中盤で攻撃を落ち着かせつつ、ボールを前進させられるところにある。以前までの日本代表は柴崎岳がこの役割を担っていたが、プレスへの耐性がなく、ボールロストが目立った。しかし、田中であれば正確なパスワークでプレスを無効化し、推進力のあるドリブルで攻撃を押し上げることができる。同じインサイドハーフの守田英正も同じような能力を持っており、田中、守田の2人が攻撃に余裕を持たせることで対オーストラリア、対ベトナムでのゴールに繋がったといえる。
代表のチームメイトである冨安健洋も田中をチームのキーマンに挙げている。
オーストラリア戦での大抜擢から2戦連続で先発し、日本を勝利に導いた田中。東京五輪で示したようにその実力は本物であり、今後もサムライブルーに欠かせない戦力としてワールドカップ・カタール大会の切符を掴んで欲しい。