チリ代表は2010年代に大きな成功を掴んだ photo/Getty Images
アジア最終予選に合わせてこちらも注目
日本のワールドカップ出場を懸けたアジア最終予選も大注目なのだが、今回の代表マッチウィークでは熱い終盤戦を迎える南米予選の方も見逃せない。超ハイレベルな生き残り合戦が繰り広げられており、残り4試合は荒れ模様となるだろう。
今のところ南米からカタール行きを決めているのは首位ブラジル代表、2位アルゼンチン代表の2チーム。ワールドカップにストレートインできるのは上位4チームとなっているため、残る椅子は2つだ。5位のチームは大陸間プレイオフに回ることになり、こちらも出場のチャンスはある。
現在の順位をおさらいしておくと、3位には少々意外かもしれないがエクアドル代表が入っている。それも獲得した勝ち点は23。4位のコロンビア代表、5位のペルー代表とは6ポイントも差がついている(両チームとも勝ち点17)。
彼らを追うのは、6位チリ代表、7位ウルグアイ代表で両者とも勝ち点は16。そして8位にボリビア代表が勝ち点15で迫ってきている状況だ。
やはりコロンビア、ペルー、チリ、ウルグアイの4チームは注目で、2010年代も彼らはワールドクラスのタレントを多数擁して世界を盛り上げてきた。しかし世代交代がスムーズに進んでいないところも多く、今回の南米予選では苦戦気味なのだ。

コロンビアの強さは日本のサッカーファンもご存知の通り photo/Getty Images
残り4試合で生き残るのは
まず28日のカードで注目したいのは、4位コロンビアと5位ペルーの直接対決だ。コロンビアは今も2014年のブラジル大会で躍動した選手たちが存在感を放っており、GKダビド・オスピナ、カタールへ向かった今も招集されているMFハメス・ロドリゲス、ラージョ・バジェカーノで好調を維持するFWラダメル・ファルカオ、ユヴェントスFWファン・クアドラードらが中心だ。
そこにFCポルトで好調を維持するFWルイス・ディアスらが絡むことになり、南米予選14試合で16得点と湿り気味の攻撃陣をどうにかしたいところ。
一方のペルーは超がつくワールドクラスこそいないが、強豪相手に粘り強く戦える南米らしいチームだ。今回の招集メンバーも欧州5大リーグでプレイしているのはセルタMFレナト・タピア、グラナダDFルイス・アブラム、サンテティエンヌDFミゲル・トラウコの3名のみと少々寂しいが、それでも強豪と戦えるのがペルーの凄いところだ。
ペルーは2月2日に3位エクアドルとの対戦も予定されているため、この2連戦で上位組を叩ければ大きい。特にエクアドルは28日にブラジル代表と対戦するため、ここで連敗するようなことになれば順位表が荒れてくる。エクアドルは最終節でもアルゼンチンと対戦するため、エクアドルとしてはペルー相手に勝ち点3が欲しいだろう。
今回の2連戦で大変なのはチリ代表だ。28日にはアルゼンチンと戦い、2日には高地となるボリビアの本拠地へ乗り込まなければならない。ボリビアはここまで南米予選で4勝を挙げているが、そのすべてがホームでの戦いだ。チリとしてはこの2連戦を落とすわけにはいかず、意地でも勝ち点を持ち帰らなくてはならない。
相変わらずDFマウリシオ・イスラ、ガリー・メデル、MFチャルレス・アランギス、FWアレクシス・サンチェス、エドゥアルド・バルガスといったベテラン選手が招集を受けているが、カタール大会でもうひと暴れできるだろうか。イングランド2部のブラックバーンでゴールを量産するFWベン・ブレアトン(22)も招集されているため、フレッシュな選手の活躍にも期待だ。
最後にウルグアイだが、こちらは28日に9位パラグアイ、2日に最下位ベネズエラと対戦する予定となっており、順位的には格下だ。南米のゲームに楽な戦いなど存在しないが、ここで確実に勝ち点を獲らなければならない。
FWルイス・スアレス、エディンソン・カバーニはもちろん、ビッグクラブも目をつけるベンフィカFWダルウィン・ヌニェス、中盤にもレアル・マドリードMFフェデリコ・バルベルデ、ユヴェントスMFロドリゴ・ベンタンクール、フィオレンティーナMFルーカス・トレイラと渋い実力者が揃う。陣容的にはワールドカップを十分に狙えるはずで、7位で南米予選を終えることは許されない。ここが正念場だ。
このうちブラジルとアルゼンチンを除いて最大3チームしか本大会へ進めないのが南米予選の厳しいところだが、この2連戦で抜け出すのはどこか。南米の熱い終盤戦も忘れるわけにはいかない。