ローマを指揮するモウリーニョ photo/Getty Images
名将として復活の一歩を
今季から新たに創設されたヨーロッパ・カンファレンスリーグはチャンピオンズリーグ、ヨーロッパリーグに次ぐ3番目のコンペティションで、注目度は決して高いとは言えない。しかし、ファイナルまで進んだローマとフェイエノールトにとっては大きなタイトルとなり得る。
特にローマを指揮するジョゼ・モウリーニョとしては、そろそろタイトルが欲しいだろう。世界的名将と呼ばれてきたモウリーニョだが、最後にタイトルを獲得したのはマンチェスター・ユナイテッド時代の2016-17シーズンのことになる。当時はヨーロッパリーグ、EFL杯、コミュニティ・シールドを制したが、全体的にマンUでの仕事は失敗と考えられている。
その後指揮したトッテナムでも国内カップ制覇へ近づいたものの、途中でクラブを離れることになった。そこから2021年夏にイタリア・ローマへ向かう決意をしてから約1年。ローマはカンファレンスリーグのタイトルに王手をかけた。
残念ながらリーグ戦ではスクデット争いから早々に脱落してしまい、昨季までと大きな変化はない。しかしローマも2007-08シーズンにコッパ・イタリアを制してからは無冠時代が続いており、このカンファレンスリーグのタイトルでも獲得できれば自信になるはず。
昨夏にはFWエディン・ジェコが抜けながらも、モウリーニョはチェルシーから加えた若いFWタミー・エイブラハムの実力を上手く引き出しながら戦える集団へと変えてきた。リーグ戦で5位の現状は満足できるものではないかもしれないが、ローマはモウリーニョの下で確かに成長している。タイトル獲得へ近づいてくるあたり、さすがはモウリーニョと言うべきか。
モウリーニョもイタリア復帰には並々ならぬ覚悟があったはずで、成功に飢えている。