トッテナムで活躍したワニアマもアメリカへ photo/Getty Images
選手に広がるアジア、アメリカへの選択肢
アメリカ・MLSは今夏もFWガレス・ベイルを迎えるなど(ロサンゼルスFC)、欧州で活躍した実力者を引き抜くスタイルを継続している。若手の育成も進んでいるが、欧州から実力者を引き抜くやり方もリーグを盛り上げるのに一役買っている。
MLSのクラブが狙うのはベイルのようなスターだけではない。例えば31歳のMFヴィクター・ワニアマだ。トッテナムでプレイしていたことを覚えている人も多いはずで、ワニアマはセントラルMFとして活躍。その後2020年にトッテナムを離れ、現在はCFモントリオールの主力だ。
レスター・シティで岡崎慎司とも共闘した左サイドバックのクリスティアン・フクスは、2021年にレスターを離れてアメリカのシャーロットFCと契約。今年からMLSに加わったクラブで、そのチームにとって欧州での経験も豊富な36歳フクスは貴重な人材だろう。
同じ左サイドバックでは、アーセナルで長くプレイした32歳のキーラン・ギブスも2021年からはインテル・マイアミでプレイしている。ギブスはアーセナルを離れてから同じイングランドのWBAでプレイし、その後マイアミ行きを選択。
さらにセンターバックと左サイドバックの両方をこなし、マンチェスター・ユナイテッドのアカデミーから出てきた28歳のタイラー・ブラケットは現在シンシナティFCで久保裕也とチームメイトである。
2014年にマンUのトップチームでデビューしたブラケットという名前を覚えている人もいるはずだ。当時チームを指揮していたルイ・ファン・ハールからチャンスをもらったものの、結局マンUでは11試合しかプレイできず。その後はバーミンガム、セルティック、レディングなどを経て、2021年にアメリカ行きを選択した。
ブラケットのように欧州トップリーグで満足な成績を残せなかった選手にとって、アメリカ行きの選択肢はサラリー面でも魅力的か。今や欧州5大リーグでの成功だけがキャリアの正解ではなく、アジアやアメリカなど選手のキャリアプランは広がっている。