技ありラストパスで存在感を示した久保建英 photo/Getty images
短い時間で可能性を感じさせた
リーガ・エスパニョーラ第4節レアル・ソシエダ対アトレティコ・マドリードの一戦が行われ、1-1と勝ち点を分け合う結果になった。
序盤5分に失点を許したホームのラ・レアルだが、良く持ち直した。
昇格組であるアルメリアからラ・レアルに2000万ユーロ(日本円にして約28億円)でやってきたサディクだが、この補強は大当たりになりそうだ。
サディクが投入され、ラ・レアルの攻撃の選択肢は一気に増えた。192cmの長身、スピード、フィジカルの強さを持つストライカーで、とにかく前線でボールが収まる。前半は同じく新加入のアレクサンデル・セルロートを配置していたが、ボールが収まらず存在感はなかった。
そんなサディクに続いてベンチスタートだった久保建英もピッチに投入される。すると、いきなりその2人が魅せる。76分、バイタルエリアで久保がミケル・メリーノからパスを受けると、巧みな足技を駆使しゴール前にボールを送る。サディクはそれにしっかり反応しており、ゴールネットを揺らすも判定はオフサイドとなってしまった。残念ながら取り消されてしまったが、久保のラストパスは素晴らしかった。タイミングを外したパスであり、アトレティコが誇る堅守の5バックをパス一本で崩壊させている。
その後はどちらもゴールが決まらず、1-1のドローとなったが、ラ・レアルはサディク&久保という素晴らしいコンビ誕生の瞬間を目にすることになった。
両者へのメディアからの評価は高く、西『MUNDO DEPORTIVO』では久保を“アーティスト”、サディクをセレスティアル(素晴らしい、神々しい)と呼び大絶賛。とくに同点弾を決めたサディクには近年のラ・レアルで他に類を見ないデビュー戦となったと大きな期待を寄せている。
ミッドウィークに開催されるマンチェスター・ユナイテッドとのELを前にして素晴らしいコンビが誕生したラ・レアル。同紙では指揮官であるイマノル・アルグアシル監督が「このようにプレイすればマンチェスター(ユナイテッド)に勝つチャンスはある」と話しており、サディクのゴール、久保のアシストに期待したい。