ローマを指揮するモウリーニョ photo/Getty Images
今季はEL制覇も視界に入る
チェルシーやインテル、レアル・マドリードなどで成功を収めてきた名将ジョゼ・モウリーニョだが、近年はやや評価を落としているところがあった。
マンチェスター・ユナイテッド、トッテナムで思うような成績を残せず、その評価が揺らぎつつあったのだ。
しかし、手腕はやはりスペシャルだ。現在指揮するローマは決してスーパースター軍団と呼べるチームではないが、モウリーニョは時間をかけながら確実に強化してきた。
チャンピオンズリーグ、ヨーロッパリーグに比べると話題性は劣るが、昨季は新設されたカンファレンスリーグを制して初代王者に輝いた。
そして今季はヨーロッパリーグへとステップアップし、そこでもベスト4まで勝ち上がっている。
伊『Gazzetta dello Sport』は、ローマでの仕事ぶりをFCポルト時代と重ねている。モウリーニョは2002年から2年半ポルトを指揮し、チャンピオンズリーグを制するなど大成功を収めた。本格的にモウリーニョの名前が世界に広がった頃でもある。
当時のポルトもスーパースター軍団ではなかったかもしれないが、モウリーニョは一歩ずつチームを強化していった。ローマもそれに似ているとの評価だ。
「モウリーニョのローマは退屈かもしれないが、とてつもなく効果的。今世紀初頭にFCポルトでおこなったように、彼は一歩一歩チームを成長させている」
ここまでくれば、狙うはEL制覇だ。準決勝ではドイツのレヴァークーゼンと対戦するが、決して勝てない相手ではないはず。
ELで見せている勝負強さは実にモウリーニョらしいもので、徹底的に勝ちにこだわる姿勢と野心は20年前から変わっていない。