フランス代表では期待の若手MFザイール・エメリも負傷 photo/Getty Images
疲労による筋肉系トラブルも目立つ
すべての怪我が過密日程による疲労で引き起こされているわけではないが、今月の代表マッチウィークでは各国代表選手たちの負傷が目立ってしまった。
トッププレイヤーともなれば、所属クラブでの戦いに加えて毎月のように代表戦も入ってくる。
今月の代表マッチウィークではスペイン代表MFガビが右膝の前十字靭帯断裂の大怪我を負ってしまい、他にもフランス代表MFウォーレン・ザイール・エメリ、エドゥアルド・カマヴィンガ、ブラジル代表FWヴィニシウス・ジュニオール、日本代表でもMF鎌田大地、FW三笘薫が負傷で代表を途中離脱しており、アジアの代表選手たちの中には欧州とアジアの長距離移動を強いられる選手も少なくない。
昨今の過密日程には以前から改善を求める声が出ているが、『ESPN』は最近の選手が若い頃よりプレイしすぎていると指摘。選手をもう少し人間扱いすべきと主張している。
「FIFPRO(国際プロサッカー選手会) は最近、衝撃的な統計を報告した。ヴィニシウスは22歳までにクラブと代表合わせて18,876分間もプレイしていた。これは同年齢のロナウジーニョの2倍以上になる。スペインのペドリは常にひどい怪我に悩まされており、20歳までに12,000分以上プレイしていた。これも同年齢のシャビより25%多い。キリアン・ムバッペは24歳までに26,952分間プレイしており、同年齢のティエリ・アンリよりも出場時間が48%も多いという驚異的な数字だ」
「サッカーのカレンダーは粉砕機のようなもので、すべての主要なサッカー選手の体力、精神的健康、回復力、そして一般的な幸福を蝕んでいる。これを放置しておくと、これはよりトラブルを呼ぶだろう。サッカー選手を商品ではなく、人間として扱う時が来たのだ」
試合数が多い方が利益には繋がるかもしれないが、怪我のリスクは増える。
欧州で開催されてきたEURO2024予選はグループステージの戦いを終えたが、まだ3月にはプレイオフも控えている。こちらに回る選手はまた忙しい日々を過ごすことになり、その5か月後にはEURO本大会とパリ五輪が待っている。休む間もないといったスケジュールで、このあたりは見直していくべきなのかもしれない。